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Sclaps KOBE

神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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【復興の光と影 阪神淡路大震災から15年】(上)雇用創出も地元置き去り <MSN産経 2010/01/05>を添削

 1300億円を投じてポートアイランドに整備された神戸医療産業都市。周辺にはスパコンや神戸空港など、「創造的復興」として進められた大規模開発事業が並ぶ。
 神戸沖に浮かぶポートアイランド。1960~1970年代、華やかだった神戸市の開発行政を各自治体がたたえて「株式会社神戸市」と呼んだころ、六甲山地の土砂を埋め立てて建設された人工島だ。その南に今、巨大な研究施設群が立つ。先端医療の関連産業の集積を図る神戸医療産業都市。インフラ整備の優先で新産業、ひいては雇用を創出し、震災で打撃を受けた神戸経済を活性化させようという「創造的復興」の象徴事業だ。

 「各施設が近接していて交流しやすく、すばらしい環境」。都市内に研究所を構える世界的医薬品メーカー、日本ベーリンガーインゲルハイム(東京)の西河芳樹所長の高い評価は、進出企業・団体が160を超え、国内随一の医療クラスター(集合体)が形成されつつある現状を裏付ける。野村総合研究所の試算によれば、経済波及効果は年間409億円にのぼる。

 しかし「創造的復興」は被災地に何をもたらしたのか。国、兵庫県、神戸市などの資料を独自集計し、「『創造的復興』によるインフラ整備などの復興支出は、主に大手ゼネコンなど、兵庫県外に流出した」との研究結果をまとめた神戸松蔭女子学院大の池田清教授は「地元経済との関連性が弱い」と疑問を呈する。
 2009年度当初予算の神戸市税収入は、震災前(1993年)から約255億円減の2696億円。失業率も7.9%と全国平均の6%(いずれも2005年)を上回る。神戸は8兆円以上が投じられたとされる「創造的復興」の恩恵を実感できていない。

 経済の低迷が中でも深刻なのが、地場産業が集まる神戸市内陸部のインナーシティだ。長田区で靴バネの製造販売を営む田中務補商店の田中彰社長(67)は「震災前は月に150トンの鋼材を使ったが、今は30トン。靴工場は4分の1ぐらいに減った」と表情を曇らせる。
 長田区内の製造業の事業所数(2007年)は566カ所で、震災前の約3分の1。長田区の失業率は全国平均の約2倍となる11.8%(2005年)で、生活保護受給率にいたっては1000人あたり68.7人と、全国平均のほぼ6倍となっている。

 一方で医療産業都市の今後を危ぶむ声も聞こえる。兵庫県や神戸市は土地の無償貸与や減税、補助金などの優遇措置を用意し、海外企業や大企業の誘致を進めてきたが、優遇期間終了に伴って退出する企業も少なくない。優遇条例の期限を迎える2011年度以降が正念場だ。

 「神戸経済を支えてきたのは地場産業や中小零細企業であり、行政は復興のターゲットを見誤った」と池田教授は強調する。景気低迷が想定外だったとしても、「結果論」として切り捨てることはできない現状が被災地に広がっている。
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