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Sclaps KOBE

神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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【風 検察の危機】MSN産経 2010/10/12~

役職は全て当時。敬称略。に添削。
“”「」等を削除。
容疑者だけ実名入りで検察官は実名なしだったので、検察官にも実名を記載。
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【風 検察の危機】(1)証拠改竄、検事起訴…「正義の味方」どこへ行く <MSN産経 2010/10/12>を添削

 みなさんは、検察という組織にどんな印象を持っていますか。

 検察は、事件があれば捜査し、犯人を裁判にかけるよう裁判所に求めること(起訴)ができる。裁判では、さまざまな証拠を基に犯罪があったことを証明し(立証)、見合った刑罰を受けるよう意見を言う(論告求刑)。判決で言い渡された刑の執行を、監督する責任もある。

 日常生活を送る上では縁遠いかもしれないが、検察はこうした権限をほぼ独占し、公益の代表者といわれている。検察に属する検察官は原則、司法試験に合格しなければなることができない。法律に対する豊富な専門知識と高い倫理観が必要だという意味で、エリート中のエリートと言っていいだろう。

 そんな検察を舞台にした事件が連日、ニュースになっている。大阪地検特捜部主任検事 前田恒彦(43)が、押収資料を改竄したとして逮捕・起訴され、大阪地検特捜部長 大坪弘道(57)と副部長 佐賀元明(49)も犯罪を隠した容疑で逮捕された。

 改竄されたのは、上村の自宅から押収したFDの最終更新日時だ。詳しい経過説明は次回以降に回すが、ポイントは、法と証拠に基づいて真実を究明すべき検察官が、よりによって証拠になりうる資料を改竄してしまった、という点である。

 発覚した2010/09/21から、筆者は同僚たちとともに連日、さまざまな取材をし、原稿を書いてきた。署名入りの記事で検察批判を繰り返したこともあって、検察関係者たちからこう言われたこともあった。

 「なんでそこまでひどいこと書けるんや」

 「マスコミは悪に立ち向かう同志やと思っていたのに、裏切られた」

 筆者は担当記者になる前と同じく、現在でも検察を正義の味方だと思っている。だが、正直に書いてしまうと、前代未聞とも空前絶後ともいわれる一連の事件が、検察をどこへ導いていくのか、見当すらつかないでいる。

 今回の「風」は、検察の危機がテーマです。この事件はどこに問題点があったと思いますか。検察はどう生まれ変わるべきでしょうか。ご意見をお待ちしています。

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【風 検察の危機】(2)議員の口利き…構図に合う証拠を探して <MSN産経 2010/10/14>を添削

 前代未聞といわれる大阪地検特捜部の押収資料改竄事件を振り返ってみたい。

 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局長 村木厚子(54、無罪確定)は、2009/07に大阪地検特捜部に起訴された。障害者団体だけが利用できる割引郵便制度を、実体のない団体が使えるように、偽の証明書を発行したという虚偽有印公文書作成・同行使罪だ。この団体は偽の証明書を郵便局に出し、正規料金が1通120円のところを8円にまけさせ、企業広告を大量に送っていた。

 大阪地検特捜部の描いた構図はこうだ。団体が有力国会議員(※)に、証明書を発行するよう口利きを依頼する。国会議員が厚労省の部長に働きかける。当時、社会・援護局障害保健福祉部企画課長だった村木は議員案件として、同課社会参加推進室係長 上村勉(40)に偽の証明書を作るよう指示する。上村が作成した偽の証明書を、村木が団体に渡す。
# 構図内では、民主党の石井一 参議院議員。

 問題となったのは、村木が上村に指示したとされる時期だった。実際に証明書が使われたのは2004/06/10で、特捜部は関係者たちの供述から「6月上旬」と見当をつけた。しかし、上村が証明書作成に使ったフロッピーディスク(FD)の最終更新日時は2004/06/01未明。つまり指示が本当なら、2004/05/31以前になければならない。

 今回、改竄されたことが発覚したのは、このFDの最終更新日時だった。

 前田は、村木を起訴して9日後の2009/07/13、大阪地検の執務室で私用のパソコンを起動させた。押収資料のFDを差し込み、ファイル管理ソフトを使って最終更新日時を「2004/06/01 01:20:06」から「2004/06/08 21:10:56」へ書き換えた。

 改竄後の2004/06/08だと、村木が2004/06上旬に上村に指示したという構図でも整合性がとれる。「重要な証拠に自ら手を加えて、ストーリーにあうよう改竄していたとすれば、捜査の根幹を揺るがす事件だ」。村木の弁護人は発覚直後の会見でこう語った。

 随分長い振り返りになってしまったが、大事件になるほど「◯◯事件」という言葉だけ新聞紙面で独り歩きして、実際に何が起きていたのか見失われがちになる。大坪らが逮捕された次の展開を説明するまで、もう少しおつきあい願いたい。

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【風 検察の危機】(3)独任官庁ながらピラミッド…組織ぐるみ隠蔽か <MSN産経 2010/10/18>を添削

 《検察はたしかに日常生活とは縁遠いですから「ニュースで出ている内容は何なんだろう」とみていました。これから「風」でかみ砕いて説明してくださるようで助かります》。46歳女性からこんなお便りを頂戴した。

 前回説明した大阪地検特捜部の押収資料改竄事件から、事件は上司である特捜部長の大坪と副部長の佐賀が部下の前田の犯罪を隠蔽したとされる犯人隠避事件に発展した。ご意見のように、検察という組織はわかりにくいのだが、「部下の不祥事に、上司として、組織としてどう取り組むか」という視点なら、みなさんの職場や所属組織に置き換えられるかもしれません。

 確かに検察庁は通常の会社組織と大きく異なり、外部からの圧力を受けないよう、検察官一人一人が独立して起訴などを行う独任官庁である。

 だが一方で、検察官は組織全体で行動する(検察官一体の原則)とも定められ、地検の場合、トップの検事正、ナンバー2の次席検事以下、ピラミッド構造の中で「自分よりキャリアの長い上司の厳しいチェックをクリアし、事件を『形』にする労苦は生半可ではない」(検察関係者)ことも事実。その過程で上司対部下、個人対組織、組織対外界という軋轢の生まれる構図は、一般社会と変わらないのかもしれない。

 大坪と佐賀の逮捕容疑は犯人隠避罪。部下の前田が押収資料のFDのデータをわざと改竄していたことを知りながら、ミスだったことにすり替え、刑事処分を逃れさせたという疑いである。

 別の方からいただいたメール。《官僚組織では部下の責は上司が負う。部下の不始末を隠蔽したくなる気持ちは分からないでもない》。そう前置きした上で、検察がそれを許してしまうと《一歩間違えば罪なき人を罪人に仕立てて長年、拘束しかねない。恐ろしい世になってきた気がする》とあった。

 現時点で、上司側の2人が全面否認していることに留意しなければならないが、人の生殺与奪を握る検察官の犯罪と考えると、確かに恐ろしい。みなさんの職場などに置き換えて考えた検察へのご意見も、寄せていただければと思います。

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【風 検察の危機】(4)起訴率5割…公判への「覚悟」見えぬ <MSN産経 2010/10/19>を添削

 《今回の事件の問題点は、そもそも検察がなぜ、(郵便不正事件で)証拠固めがあいまいなままで容疑者を起訴に踏み切ったのか、という点です》。56歳男性からこんなメールをいただいた。

 村木は2009/06/14に逮捕されたが、このとき既に、問題となっているFDは押収されていた。前田は、自分たちが見立てた構図と異なる証拠が出てきたことを知っていながら、逮捕へ突き進んだ、とみられている。

 男性は《日本の検察は有罪率がほぼ100%ながら起訴率は5割にも満たない。非常に堅実で優秀なのに、と違和感を覚えた》とした上で、こう結論づけている。《押収資料改竄事件は、起訴をするに当たっての覚悟、あるいは気概のなさによって、起こるべくして起こったも同然といえるのです》

 おっしゃる通りかもしれない。前田は村木を起訴した後にFDを改竄しており、その動機を「公判の紛糾を避けたかった」と供述しているという。そこには、起訴と、その後に控える公判への覚悟が見えない。

 刑事訴訟法には、検察官が犯人の境遇や犯罪の軽重などによって必要なしと考えたときは、起訴しないことができるという定めがある。起訴便宜主義と呼ばれており、検察だけが持つこの権限をやりがいととらえる検察官も少なくない。裏を返せば、それほど起訴と不起訴の判断は難しいともいえる。

 別の方からのご意見。《無罪だと一貫して主張する態度が、前田の怒り、嫌悪を増幅させたような感じを受けました。家庭でも会社でも、間違った人間に権力を持たせるとパワーハラスメントが起こりますから…》

 頭から有罪と決めてかかる検察官なら「反省していない」と感じて起訴へ突き進むのだろうか。この方はこう疑っておられる。

 《検察には、まだまだ前田と同じ種類の人間が潜んでいるのではありませんか。悲しいかな、だれがそうなのかなかなか見分けはつきませんが…》

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【風 検察の危機】(5)被害者とともに泣け! 格言どこへ <MSN産経 2010/10/20>を添削

 起訴したことが非難されている郵便不正事件とは逆に、検察官が行った不起訴処分に、後々まで苦しめられている人もいる。

 《私たちは、検察が息子を守ってくれると思っていました。しかし、それは誤りでした》

 手紙を寄せていただいた67歳の男性は2004/08、当時30歳の長男をある事故で亡くした。大阪市都市環境局の職員として、道路の陥没が下水道にどんな影響を与えているかを調べる作業中にマンホールへ入ったところ、硫化水素中毒で倒れた。

 長男の上司ら7人について、大阪府警は「事故の危険性を認識しながら、作業手順の順守や安全指導を怠った」などとして、業務上過失致死容疑で書類送検したが、大阪地検は2007/03に全員を不起訴処分(嫌疑不十分)にする、との結論に至った。

 《最初のうち、検事は「これが事件の書類です」と、何箱もの段ボールに入った証拠書類を見せてくれました。「やるべきことをやっている」という言葉を信じて「お願いします」と頭を下げたのですが…》

 男性は地検に赴いて不起訴となった理由を聞いたが、到底納得できなかった。《「罪人を作りたくない」、「この件はもう終わりにしたら?」とまで言われました。目の前にカーテンが引かれているかのようでした》

 当時の報道によると、大阪地検は「刑事責任を問うだけの管理責任はなかった」とみていたが、その7カ月後、検察審査会は「事故の防止対策を何らとっていなかった」として、上司のうち1人を起訴相当、別の1人を不起訴不当と議決している。

 それでも、大阪地検は2人を再び不起訴にし、2009/08、公訴時効が成立してしまった。

 《私たちは5年間、大阪地検と闘ってきましたが、あまりにも子供扱いされ今も腹の立つ日々です。どう考えても検察の考え方が理解できません。私たちと同じように、他の事件でもたくさんの人が泣いているのではないでしょうか?》

 検察には「被害者とともに泣け」という格言があるが、男性は、検事が泣いてくれたとは全く感じていない。せめて今回、逮捕・起訴された検事の前田を「しっかり処罰してほしい」と思っているという。

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【風 検察の危機】(6)1人で年775件、残業当然…負担軽減し再発防止を <MSN産経 2010/10/21>を添削

 大阪地検特捜部の押収資料改竄・犯人隠避事件は、大坪と佐賀が2010/10/21午後、大阪地裁に起訴される見通しとなった。ただ、刑事処分は科されても、同じ不祥事が検察内部で二度と繰り返されないという保証はどこにもない。

 《背景、経緯は報道されているが、再発防止へ向けた意見は意外に伝わってこない》。70歳男性からメールでこんなご指摘をいただいたので、紹介したい。

 《作業や仕事の信頼性を上げるには、担当者が1人ではダメ。特に経理では、着服や横領など必ず悪い結果となる》

 前田は、大阪地検の執務室に私用のパソコンを持ち込み、押収資料のFDを改竄したという。たしかに、周囲の目はない状態だった。

 男性は《性善説で対処するのが一番いけない。複数の担当者が見れば改竄などできない》とした上で、こう続けている。

 《すると、当然人員を増やさねばならない。検察に厳密な信頼性の高い仕事をしてもらうには、国民も人員増に理解を示し「国民も負担する」という覚悟がいる》

 全国の検察官数は2008年で2578人。これに対し、受理した事件は約200万件にのぼった。1人当たり年間775件、1日2件強となる計算だ。

 筆者の印象で恐縮だが、大阪地検は特捜部だけでなく、刑事部も公判部も、検察官は驚くほどよく働いている。深夜残業や休日出勤はざらで、捜査や公判の進行によっては、何日も続けて勤務することが珍しくないように映る。

 別の方からは《中途で検察官が変更になっても問題がないように、日々の仕事を分かりやすく終えておくシステム作りが必要だ》とのご意見をいただいた。これも、検察官個人の負担軽減につながる提案だ。

 前田は「事件をまとめなければならないというプレッシャーを感じていた」とも供述したという。プレッシャーをかけたのは、起訴される大坪と佐賀なのか、あるいは上級庁の幹部なのかは不明だが、彼の資質による個人犯罪ととらえていては、再発防止もままならないといえるかもしれない。

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【風 検察の危機】(7)最高検、見てます? 読者は「郵便不正、釈然としない澱が沈殿…」 <MSN産経 2010/10/22>を添削

 《郵便不正事件は、検察の大暴走という形で一件落着したかに見えます。だが私には、何か釈然としない澱のようなものが、心の中に沈潜しているのです》

 大阪地検特捜部による押収資料改竄・犯人隠避事件は、大坪と佐賀が起訴され、捜査としては事実上終結した。79歳男性の手紙には、そもそもの発端となった郵便不正事件から連想した、ある体験談がつづられていた。

 社員約2500人、年商約700億円の外資系日本法人に勤務し、旧建設省などから公共工事を受注する仕事に携わっていた当時のこと。

 《東京都の第3セクターの社長に会って、指名をお願いしなければならない事案がありました。しかし正攻法ではアポイントが取れません。そこで伝手を頼り、都議会議員の某氏にたどりつき、仲介をお願いしました》

 すると、後日になってその議員から約束できたと連絡があり、無事に社長と会えたのだという。

 郵便不正事件で特捜部は、国会議員から厚生労働省側に証明書発行の口添えがあったのではないか、と睨んだ。もちろん、無罪判決確定で口添えは否定され、事実でないと分かった。男性のご意見は、そうした構図を特捜部が描いたこと自体は必ずしも誤りでなかったのではないか、と読み解ける。

 76歳男性の投書。《郵便不正事件で検察に同情する者です。厚労省の課長印を押した偽の証明書が存在しており、物証があったからです。検察がストーリーを描き、その線に沿って捜査することは間違っていないと思います》
 この男性は、国会議員や上村に対する捜査が杜撰だったことを批判した上で、こう続けている。
 《検察は、厚労省が上村の一存で偽の証明書を作る出鱈目な組織とは思っていなかったのでしょう。「事実は小説より奇なり」を教訓に、今後の捜査に当たってほしいと願います》

 最高検へ。郵便不正事件の捜査と公判を検証し、年内にも結果を公表されるそうですが、こうした読者のご意見は参考になりませんか。岡目八目という言葉もあることですし…。

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【風 検察の危機】(8)自戒込め…「マスコミも変わらねば」 <MSN産経 2010/10/25>を添削

 大阪地検特捜部の押収資料改竄・犯人隠避事件で、筆者が避けて通れないと考える問題がある。《この投書もけっして採用されることはありませんが…》と書いた51歳男性のメールを紹介したい。

 《検察より許せないのがマスコミです。前田の取調べ状況などは、相変わらず検察関係者から漏れ聞こえてくる情報をそのまま報告しているにすぎないのではないですか》

 無罪判決(確定)が出てから、新聞各紙は郵便不正事件の報道について、検証記事を掲載した。「冷静さを失い、検察の構図に沿った報道に傾いた感は否めない」。弊紙はそう自戒している。それから1カ月もたたないうちに、最高検の構図に沿った報道を繰り返している、とのご指摘だと受け止めた。

 メールはこう続く。《検察関係者が、手のひらを返したように自分たちを攻撃するマスコミの豹変ぶりに驚くのは、無理もありません。「自分たちだけがいい子になりやがって」というのが検察の本音ではないでしょうか》

 筆者の個人的な意見になるが、ご容赦願いたい。

 今回の事件で筆者と同僚たちは、ことあるごとに議論しながら、検証を踏まえた取材と執筆を心がけた。特に全面否認している大坪と佐賀の言い分は、できるかぎり報じた。
 ただ、情報を求め記事を書き続けたこの30日間、常に冷静だったかといえば、そうでなかった。捜査する側もされる側も、秘密保持を徹底する検察だ。難関を突破しようと前のめりの取材になっていたのではないか、と反省している。

 検察とマスコミはこれまで一心同体だった。政治家らを逮捕する特捜部の背中を無批判に押してきたのはマスコミだ。だから、今回の報道で「検察は抜本改革せよ」などと自らを棚に上げた記事をみると正直、鼻白む思いもする。検察に反省を迫るなら、マスコミも変わらねばならない。

 別の方からのメールにはこうある。《マスコミは今回の事件でようやく検察組織の危うさに気づいたようだが、これまでも危うさをうかがわせる事態は何度も起きていたはずです》

 これも耳が痛い。他にいただいた報道批判も、しっかり読ませていただいています。

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【風 検察の危機】(9)再捜査と称し報復…不信を招いた対応 <MSN産経 2010/10/27>を添削

 「被害者と『泣かない』検察」と題した2010/10/20の「風」に対し、検察官の対応に傷ついた方々から他にもご意見をいただいた。

 《「騙す人間も悪いけど、騙されるアンタも悪いよ」と笑い声でいった検察官の言葉は、私の耳、心にべったりと張りつき、命尽きるまで犯人とともに忘れることはないでしょう》

 メールをいただいた関東地方の40代女性は、アルバイト先の同僚だった男から1年以上にわたり計数百万円を巻き上げられた。「必ず返す」と借金を装うともに、元暴力団員を名乗り恐怖で従うしかない状況を作り出して、金品を無心してきたという。

 男が薬物事犯で逮捕、起訴され実刑判決を受けたため、恐怖からようやく解放された女性は警察に相談したが、被害届は受理されなかった。そこで検察に電話で問い合わせたところ、担当検事から「大変でしたね。でも終わったことだから」と人ごとのように言われたという。

 《検察は被害者の思いを大切に考え国民を守るべき立場、存在であってほしい。今回の検察の失態は一部の人間が起こしたことであると考えたいです》。女性はこう結んだ。

 一方、関西地方の30代女性は、ある傷害事件の被害者となり加害者を告訴した。検察は不起訴処分としたが、検察審査会は不起訴不当の議決をした。その後の再捜査で、担当検事は女性に対し信じがたい言葉を口にしたという。

 《議決に影響する診断書を書いた私の主治医が許せなかったのでしょう。「主治医に責任を取らせる。拘束する。迷惑をかけたくなければ、告訴を取り下げろ」と言われました》

 女性が担当検事の求めに応じなかったところ、主治医は実際に検察に呼ばれ事情聴取されたという。女性は、再捜査と称した報復といわんばかりの取り調べだと感じ、今も悲しみが癒えずにいる。

 《今回、明るみに出た大阪地検の不祥事は、彼らの常識の一部分にすぎません。特捜部の元検事たちの処罰だけでは終わらない闇が、検察の中にはあります》

 検察には検察の言い分があるかもしれないが、少なくとも被害者は不信感を持っている。こうしたご意見を謙虚に受け止めてほしい。

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【風 検察の危機】(10完)毅然として正義を貫け <MSN産経 2010/10/28>を添削

 今回の「風」は検察関係者にも読まれている。直接投書を寄せた関係者はこれまでのところいないが、筆者と同僚に「なるほど、と思わせる指摘だ」といった人もいれば、気分を害した人もいた。いずれにせよ「さまざまなご意見があるのは承知した」(大阪地検幹部)ことは間違いない。

 大阪地検特捜部の押収資料改竄・犯人隠避事件では、検察組織が批判に慣れていないことを実感させられた。裏を返せば、これまでマスコミが無批判だったともいえるだろうが、みなさんのご意見は必ずしも批判一辺倒ではなかった。

 46歳男性はメールでこんな懸念を寄せている。《あらゆる組織の劣化には例外がないにせよ、検察が今後、批判や糾弾の対象になることをおそれ、公判段階による徒労や起訴時点での軋轢を必要以上に忌避する事態になれば、国民の不幸であると考えます》

 また51歳男性は、中国人船長が釈放された沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を引き合いにしながら、こう綴った。《あくまで法の番人として、私情を差し挟まず、いかなる圧力に屈することなく、正義を貫く毅然(きぜん)とした態度を貫いてもらいたい》

 さらに64歳男性は《押収資料を改竄するとはもってのほかだが、同じ人間のすること。特捜部の廃止などと軽々に論じてはいけない》と、今回の事件を受けた特捜部の存廃をめぐる論議を戒めている。

 最後に、56歳男性のメールをご紹介して締めくくりとしたい。《今後は「強くて悪いやつ」ほど徹底的に叩くという気概を、検事一人ひとりがもつ以外にないのではないでしょうか。もともと「正義感の人一倍強い」一握りのエリートが検事になるのではありませんか!頑張ってくださいよ。大多数の正義感あふれる検事のみなさんにエールを送って、私の意見とさせていただきます》

(後略)
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