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神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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新長田再開発2020/02完了へ 神戸市、未買収1区画を除外 震災25年 <2020/01/11 06:01 神戸新聞NEXT>を編集

 神戸市は、阪神・淡路大震災後に進めてきた新長田駅南地区再開発事業(20.1ha)で、土地買収が進まない1区画を事業対象から外し、事業を完了させる方針を決めた。都市計画変更の手続きを進めており、2020/02の神戸市都市計画審議会で決定する見込み。兵庫県内の被災地では、新長田駅南を含む6地区で市街地再開発事業、18地区で土地区画整理事業が行政主導で行われたが、震災から25年を経て全て終わることになる。

 神戸市長の久元喜造は震災25年を前にした神戸新聞社のインタビューで「(新長田駅南地区は)市内で最も大きな被害を受けたエリア。当時の市政は最善の判断をしたと思うが、開発の規模や内容について検証し、公表しなければならない」と述べた。全国最大級となった新長田駅南地区の再開発事業について、2020年度に検証を行う方針を明らかにした。

 事業費は計画段階で約2710億円。2007年には地価下落や商業床の売残りで債務残高が313億円に上るとの収支見込みが判明したが、その後の状況は明らかにされず、債務の増大などが懸念されてきた。さらに再開発ビル建設などハード整備が進んだ一方、商店街などは震災前のにぎわいが戻らず、ソフト面の復興が今も課題となっている。

 震災で壊滅的な被害を受けた新長田駅南地区では、発生2カ月後の1995/03に都市計画が決定。神戸市が用地を買い上げ再開発ビルの建設が進められたが、地元との意見調整や土地買収は難航した。2003年に事業が完了する計画だったが、多くの区域で延長が繰り返された。
 計44棟の再開発ビルを建てる計画が順次策定され、これまでに41棟が完成。残る3棟も、兵庫県が医療専門職を養成する兵庫県立総合衛生学院(神戸市長田区海運町)の移転を決めたことなどで2019年、ようやく全棟建設のめどが立った。

 事業対象から外す1区画(約2200m2)は区画内の地権者2人の同意が得られていない。神戸市はこの区画を再開発事業区域から外し、事業を完了させる。
 近年、隣接する駒ケ林中学校からプール整備のための用地を求める声が上がっており、この区画のうち神戸市が保有する土地約1300m2は神戸市教育委員会に移管する。同意が得られていない土地も学校用地としての活用を目指し、地権者と協議を続ける。

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再開発にぎわい戻らず ハード優先、需要見誤る 神戸・新長田 <2020/01/11 06:30 神戸新聞NEXT>を編集

 阪神・淡路大震災から25年を前に、ようやく再開発事業完了の見通しが立った新長田駅南地区。神戸市は高度成長期の都市開発手法をなぞるようにハード整備を優先して早期復興を目指したが、商店街などにかつての活気は戻らず、この間、批判を浴び続けた。人口減少や少子高齢化、経済情勢の変化などにさらされる中で、今も大きな課題を抱えたままだ。

 2020/01上旬の夕刻、新年を迎えた大正筋商店街を行き交う買い物客はまばらだった。商店主は「震災で街は変わり、ネットで買い物をする人も増えた。にぎわいは戻らず、商売は難しくなるばかり」とこぼした。
 かつて商店街や工場、木造住宅が密集していた新長田駅南地区は、震災で壊滅状態に。復興を急ぐ神戸市は、わずか2カ月後の1995/03/17に都市計画を決定した。被害範囲が広く、事業対象も20.1haと広大に。神戸市西部の副都心として住居や商業スペースを再配置するとした。

 戦後、ポートアイランド、六甲アイランド、ニュータウンの大規模開発を次々手掛けた神戸市。拙速と批判を受けながらも打ち出した新長田再開発は、人口増や商業床の需要増による地価上昇を前提としたが、時代は既にバブル崩壊後の低成長期に突入していた。

 神戸市は当初、全ての再開発ビルを自ら建設し、商業床を売却して事業費を賄う狙いだった。だが地権者は約1600人にも上り、買収交渉は難航した。再開発ビルでは神戸市が、従来の商店主らへの賃貸を認めなかったため、多くがローンで床を購入せざるを得なかった。

 神戸市も商業床の売れ行きの悪さから多額の負債を抱え、2008年度以降は再開発ビル建設を民間事業者に委ねた。ただ駅からの距離などで民間が関心を示さない土地もあり、その後も建設は思うように進まなかった。

 計画された全44棟のうち神戸市が建てた23棟では、震災前とほぼ同規模の約5万2000m2の商業床が整備された。2019年末時点で9割が利用されているものの、神戸市が売却できたのは4割。元市幹部で甲南大学名誉教授の高寄昇三(85)は「建設先行型の神戸市は建物を造るのを重視し、街のにぎわいにどうつなげるかの戦略がなかった」と指摘する。

 高層のマンション整備により居住人口は約6000人と、震災前の約1.4倍に増えた一方で、約5000人だった昼間人口は3200人(2006年度)と戻っていない。2019/06には昼間人口増を目指し、兵庫県と神戸市が計約90億円を投じた「新長田合同庁舎」(二葉町5)が完成。職員約1000人が勤務し、年間約30万人の来庁者を見込む。

 神戸市は兵庫県立総合衛生学院の移転も含めた効果で、昼間人口も震災前の水準に回復するとみるが、成果が見えるのはまだ先になりそうだ。大正筋商店街振興組合理事長の今井嘉昭(77)は「合同庁舎の完成後は人通りも増えた。新たな経済効果に期待したい」とする。

【しっかり検証すべき 兵庫県震災復興研究センター事務局長の出口俊一(71)の話】
 再開発の手法に「大規模すぎて時間がかかる」と反対したが、神戸市は規模にこだわった。神戸市は今回、震災25年という節目で事業を終わらせたかったのだろう。
 震災前から神戸市には新長田を西の副都心として再整備する計画があった。右肩上がりの時代に作った計画だが、千載一遇の機会とばかりにそのまま走った。人口減や高齢化などの現状を踏まえておらず、新長田の再開発は「復興災害」だ。商売を続けるため権利床を買わざるを得なかった人たちは、今も高い管理費などに悪戦苦闘している。神戸市は事業費も明らかにしてこなかったが、しっかり検証すべきだ。

【使いこなす手法必要 神戸大学名誉教授で都市計画に詳しい安田丑作(74)の話】
 震災前は木造住宅が密集し土地や権利が細分化していたのを公共の主導で解きほぐすため、神戸市は再開発という手段を選んだ。25年かかったが大仕事であり、最初から見てきた者として完了は感慨深い。
 従前の居住者用の住宅を優先して建てるなど、戻って住むことを可能にした。一方、この四半世紀はネットの発達など、商業環境の変化の加速に重なる。居住人口が戻っても地元で買い物する人は減り、にぎわいを取り戻すのは難しいが、県市の合同庁舎の開庁や県立総合衛生学院の移転は評価できる。器はしっかりしてきたので、それを使いこなす手法が今後必要だ。
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