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神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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“兵庫のチベット”三田はなぜ冷える? 県内最低値の日数は6割超 <2019/2/13 05:30神戸新聞NEXT>を編集

 日々の最低気温が兵庫県内で最も落ち込むと言われる三田市で、梅の花が阪神間に半月ほど遅れて咲き始めている。兵庫県内20カ所に設けられた気象庁の気温観測点で三田が県内最低値を出した日数は、1月、2月(2019/02/11まで)で6割超に上り、インターネット上では「兵庫のチベット」との書き込みも。春の訪れは喜ばしいが、なぜこんなに冷えるのか。調べると、地形や雪、風など多様な条件が重なっているようだ。

 2019/02/11早朝、三田天満神社(天神3)周辺では、梅のつぼみが枝に乗った雪を払うようにしてピンクの花弁を広げていた。その一帯の市街地は屋根や田畑にうっすらと雪が積もり、今年に入って2019/01/26に続く2度目の銀世界となった。

 気象庁によると、2019/02/11の最低気温は未明にマイナス0.9℃を記録。またも県内最低かと思いきや、兎和野高原(香美町)、生野(朝来市)、一宮(宍粟市)に続く4番目だった。

 三田は2019/01/06~19が連続で最低気温が0℃未満となり、2019/01/10はマイナス5.7℃と今季で一番冷え込んだ。多くの日で県内最低値を出し、1月全体を見ると、県内最低を記録しなかった日数は市街地が雪化粧した2019/01/26を含む、わずか9日しかなかった。

 三田の観測点は市街地に近い下深田地区にあり、標高150m。ただし最低気温が標高に比例しているわけではなく、1、2月は多い日で兎和野高原(標高540m)や生野(標高320m)より強い冷気を観測。県内最低値を記録した日数は兎和野高原で計5日、生野で0日となり、三田の22日は群を抜いている。

■人と自然の博物館・加藤茂弘主任に聞く

 肌を刺す朝の冷気で布団を出られない。南国・高知で育った身には、間もなく赴任1年を迎えても三田の寒さが慣れないでいる。

 気象庁の調べでは、2018年の年平均気温は低い地点から兎和野高原(12.3℃)、生野(13.9℃)一宮(14.2℃)などと続き、三田(14.5℃)は5番目で、おおむね標高の高い順。上空に近いと大気圧の低下で気温が下がるため、ある程度うなずける。

 過去の長期観測をまとめた分布地図は分かりやすい。気温の低い青色エリアは三田を起点に、北に丹波高地、東に北摂山系が含まれる。片や、西の丹波市、西脇市は三田に比べて標高が低いため気温は若干高い傾向が見られるわけだ。

 だが、日々の最低気温となると、なぜ三田が突出して低くなるのか。自然地理学を専門とする県立人と自然の博物館主任研究員の加藤茂弘が2つの可能性を示唆してくれた。

 まずは盆地特有の冷え込み。盆地では夜に冷えた空気が底にたまりやすく、それは標高500m以上の山岳が周囲にある三田盆地にも当てはまる。神戸を含む県南部には海からの暖かい空気が広がるが、三田では六甲山系に阻まれて冷気の逃げ場がないという。

 さらに雪の影響も。冬型の気圧配置で日本海側から流れ込む寒気は、北部の山岳で雪を降らせた後、水分を失った冷たい空っ風として南に吹き付ける。

 「雪があると水分で暖まりやすいから、豊岡は三田ほど寒くない」と加藤氏。なるほど、だから三田も雪の日は寒気のランキングが落ちる傾向にあるのか。

 神戸地方気象台によると、2019/01/18ごろから移動性高気圧が兵庫県を覆って気温は平年を上回る見通し。三田も3月上旬まで暖かい日が続くという。もうすぐ春本番。心が少し躍り始めた。

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三田の寒さ、チベット似の地形影響? 空っ風に「ゾクッ」 <2019/02/19 05:30神戸新聞NEXT
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 兵庫県内で最低気温が最も落ち込む三田の謎を2019/02/13付の三田版で紹介し、「兵庫のチベット」というネット上の書き込みを記事で拝借したところ、SNSを中心に予想外の反響が寄せられた。「呼び名は『関西のシベリア』の方がなじみがある」「関西のチベットは高野山(和歌山)だ」…。確かに似た呼称が付けられた土地は全国にあるが、地形や気温はどれほど違うのだろう。

 「三田は個人的にシベリアよりチベットの方がしっくりきますね」。そう語るのは、地理学を専門とする京都大学教授の水野一晴(61)だ。理由はやはりその地形と標高にあるという。

 人口100万人を超える西シベリアのオムスク。気象庁の1月平均最低気温を見るとマイナス19.2℃で、三田とは比べものにならない。ただ、その要因は北極から遮る山がなく、開け放しの寒気にさらされるのが特徴。日本で例えるなら…と札幌を挙げた。

 一方で、チベットの中心都市ラサは平均最低気温がマイナス8.5℃。こちらも圧倒的に寒いが、標高3000m以上にあって南北を山脈で囲まれ、空っ風が吹きすさぶ点は、確かに三田と少し似ているかも。「盆地と呼ぶには広すぎる高原地帯だが、地形的に共通点がある。海外の地名を国内に結び付ける風潮は、どうかとも思いますけど…」

 とはいえTwitterなどを検索すると、「岩手は日本のチベット」で「高野山は関西のチベット」。「札幌は日本のシベリア」で「八王子は東京のシベリア」と似たような書き込みは後を絶たない。

 では、実際に1月各日の最低気温を比べてみるとどうか。高野山は三田より若干冷え込み、八王子は三田よりやや暖かい日が多いが、観測された冷気の差は少ない。寒冷地と言われる盛岡、札幌はやはり圧倒的だ。それでも盛岡で計10日、札幌では2019/02/03も三田の方が冷え込んでおり、三田盆地に吹き付ける空っ風の恐ろしさを垣間見た。

 記事を書きながら何度もゾクッ-。春が待ち遠しい。
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