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神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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神戸市の福祉乗車制度パス交付再検討提言へ<神戸新聞2012/08/0308:20>を編集

 障害者らが地下鉄やバスに無料で乗れる福祉パスを交付する神戸市の福祉乗車制度について、有識者が議論する検討会(会長・伊多波良雄 同志社大学教授)の最終会合が2012/08/02、神戸市内であった。全国の20政令市や兵庫県内市町で神戸市だけが行う生活保護世帯への無料パス交付について、廃止や利用限度の設定も含め再検討を提言することに決めた。

 検討会は学識者や市民代表ら11人で構成し、2012/06から毎月開かれてきた。福祉乗車制度では、障害者、生活保護世帯、母子家庭などを対象に約9万枚の福祉パスを交付。神戸市バス、神戸市営地下鉄、ポートライナー、六甲ライナー、神戸市内の民間バスで使える。
 神戸市が交通事業者に払う負担金は年間約19億円。福祉パスの正確な利用実績は分からず、過去の調査を基に負担金を算出しているが、2013春から不正使用防止を目的にパスをICカード化する予定で、利用実績が明確になれば負担金が増す可能性もある。

 検討会は、生活保護世帯へのパス交付に関し「求職活動や通院の交通費は生活保護制度の移送費で対応できる」と指摘。生活を悪化させない前提で見直しを求める。さらに、父子世帯も対象に加えるよう要請する。2012/09上旬に神戸市に報告書を提出する予定。
~~~~
神戸市福祉乗車制度のあり方検討会報告書

以下、適当に抜粋。

 現在、障害者の方をはじめ、母子世帯、生活保護世帯、原爆被爆者、戦傷病者等、全市で約9万人の方に利用されている。

②対象者
 交付対象者が交付要件を重複して有する場合には、原則として下記1~10の優先順位にしたがって交付される。
 1.身体障害者(第1種または1級~4級)※1、2.知的障害者※1、3.精神障害者※1、4.原爆被爆者、5.戦傷病者、6.中国残留邦人等高齢者、7.被保護高齢者、8.母子世帯※2、9.中国残留邦人等世帯※2、10.被保護世帯※2
※1 上記1~3のうち、第1種身体障害者、知的障害者、精神障害者1級については、介添人が同乗される場合に使用できる介護付乗車証を交付している。
※2母子世帯、中国残留邦人等世帯、被保護世帯については世帯に1枚交付。

④利用者負担 無料
⑤適用交通機関 神戸市バス、神戸市営地下鉄、民間バス(神姫バス、山陽バス、神鉄バス、阪神バス、阪急バス)、ポートライナー・六甲ライナー
⑥負担金 19億3300万円(平成23年度決算見込額)
⑦交付形態 磁気カード(平成25年4月1日よりIC化予定)
⑧交付枚数 90,330枚(平成23年度交付実績)
⑨交付方法 区役所等の窓口での交付 ※毎年4月から更新交付、有効期限1年

2 福祉乗車制度の問題点
(1)交付枚数の増加に伴う財政負担の増大
 対象交通機関(路線)及び対象者の拡大並びに社会状況の変化等による対象者数の増加に伴って、福祉パスの交付枚数は年々増加しており、本市の財政負担が大きくなっている。
(2)利用実績の把握が困難な点と不正使用の問題
 現行の福祉パスは磁気カードであり、バスには券面の提示のみで乗車できるため、2008(平成20)年にIC化した敬老パスのように正確な利用実績を把握することができない点やカラーコピー等による不正使用が問題となっている。
 そのことにより、交通事業者からは利用実績に応じた負担金の配分及び不正使用に対する対策を強く求められている。
(3)他都市との比較及び他の移動支援施策との関係の整理
 政令指定都市の中で、被保護世帯を対象とした福祉乗車制度を実施しているのは本市だけであり、母子世帯を対象としているのは本市を含めて4都市(横浜、川崎、大阪、神戸)である。また、生活保護における移送費等、他に利用できる移動支援施策もあり、各施策の関係の整理が必要となっている。

3 福祉乗車制度の今後のあり方について
(1)制度の意義の再確認
 本制度は社会参加の促進等を目的として1968(昭和43)年に開始されたものであるが、制度発足後44年が経過する中で、情報化の進展をはじめとする社会状況の変化等により社会参加の定義や態様は多様化しており、本制度の果たす役割もそれに伴い変化してきているものと考えられる。本制度の今後のあり方を検討するにあたっては、利用者ニーズの実態把握を図るなど、本制度の今日的意義を再確認することが重要である。

(2)制度の持続可能性の確保
 本制度において、神戸市から交通事業者に対して支払われる負担金は、2011(平成23)年度見込で約19億円に上り、財政的に持続可能であるかどうかが大きな問題となっている。本制度の今後のあり方を考えるにあたっては、制度の持続可能性の観点から検討を行うことが必要である。

① 他の移動支援施策との関係の整理
 制度の持続可能性の観点からは、他の移動支援施策との関係を整理し、無駄を省いていくことが必要である。また、他都市の状況等も考慮する必要があるが、その際には、神戸市における本制度の経緯や、本制度を取り巻く状況についても留意しながら検討すべきである。
② 所得制限及び受益者負担の検討
 本制度を安定的に維持、継続していくためには、所得制限や受益者負担の導入についての検討が必要である。ただし、本制度においては、対象者によって様々な生活状況が想定されることから、所得制限等の導入にあたっては、対象者ごとの利用実績等を十分検証した上で、整理して考える必要がある。
③ 市民の理解と情報発信
 本制度を継続していくうえで、納税者である市民の理解を得ることは不可欠である。制度の公平性を確保するとともに、本制度の内容について、実施にかかる経費等を含め、広く市民に向けて情報発信を行う必要がある。

(3)対象者ごとの見直しの方向性
①身体障害者・知的障害者・精神障害者
 現行の神戸市の福祉乗車制度は、身体障害者等の社会参加の促進と移動支援を行い、身体障害者等の福祉の増進に寄与することを目的とする制度であり、現在、多くの政令指定都市等においても、同様の制度を導入し、障害のある人の社会参加を推進するための有効な施策となっている。
 ただ、対象となる身体障害者等への福祉パスの交付枚数は増加傾向にあり、その利用の実態は分からない状況となっている。そのため、IC化により障害者の福祉パスの利用実績を把握し、移動がさまざまな形で制限される障害者の社会参加を推進するための施策となっているか、引き続き検証していく必要があると考える。
 また、障害者を対象とした福祉乗車制度は、障害者の社会参加を支えていくための施策であり、他都市を見ても所得制限や一部負担を求めている例は少ない。しかし、障害者手帳交付者は増加傾向にあり、財政的に制度を維持するために、所得制限や一部負担などについては、将来的な課題として検討していく必要があると考える。
 なお、福祉乗車制度の他に、重度心身障害者タクシー利用券助成や、他都市の一部で実施されている燃料費助成などの移動支援制度があるが、これらを含めて、障害者の移動支援全体についての施策のあり方について、障害者の意見も聞き、さらに検討することが適当である。

②母子世帯
 母子世帯については、経済的に厳しい家庭が多い中、移動支援策として、また経済的支援策の一つとして福祉パスを交付してきた。ただ、同様の制度を実施している政令指定都市は神戸市を含め4市だけとなっている。また、現行の磁気カードではその利用実態の把握ができず、具体的にどの程度活用されているかが不明である。
 そこで、制度の安定的な維持・継続のために、IC化することにより、利用実績を把握した上で、母子支援施策全体における、移動支援及び経済的支援としての福祉パスについて、一部負担等の導入も含め、今後も継続して検討していく必要がある。
 なお、ひとり親支援施策として、福祉パスの交付対象に父子世帯を含めることも検討すべきである。

③被保護世帯
 生活保護受給世帯については、毎月支給されている保護費の範囲内で、日常的な社会活動に要する交通費も含めて、通常予測される生活需要を全て賄うべきものとされており、また、求職活動や通院等経常的な保護費で交通費を賄いきれない特別な需要が生じたときには、別途「移送費」として対応可能な場合がある。このような状況のもとで、福祉パスを支給することは、本来、保護費や移送費で賄うべき交通費を、市の独自事業で重ねて負担していることになる。
 他の政令指定都市においても、生活保護受給世帯を対象とした福祉乗車制度が実施されていないことからも、生活保護受給世帯については、福祉乗車制度の対象から除外することを検討すべきである。
 なお、いわゆる引きこもり対策等については、他の施策の活用等により、社会参加の促進に配慮していく必要がある。

④原爆被爆者・戦傷病者・中国残留邦人等世帯
 原爆被爆者、戦傷病者、中国残留邦人等世帯については、先の大戦により多くの負担を強いられた方々であることから、現時点において制度を見直す必要性は低いと考えられる。

(4)IC化にあたっての留意事項
 利用実績の把握及び不正防止対策を目的として、2013(平成25)年4月より、福祉パスのIC化を予定しているが、IC化にあたっては、(3)で述べた「対象者ごとの見直しの方向性」など本検討会の意見を踏まえて導入を図られたい。
 なお、導入にあたっては、特に以下の点について留意すべきである。
①利用実績の活用
 IC化によって得られる利用実績を活用して、利用者ニーズの実態把握を図るとともに、社会参加の促進等にかかる制度の効果の検証や、利用実績に応じた交通事業者への負担金の配分等を行い、市民及び交通事業者への説明責任を果たすよう努めるべきである。
②不正防止対策
 IC化にあたっては、不正防止対策を徹底し、できる限り不正の起こしようがないシステムを構築すべきである。
③利用者への配慮
 IC化によって、利用者にとって不便になることのないよう、特に障害者の方について、十分な配慮が必要である。

4 制度見直しにあたっての留意事項
(1)社会参加の促進の確保
 本制度のあり方を検討する際には、すべて経済的なことに還元して考えるだけではなく、本制度の果たしている「社会参加の促進」について看過してはいけない。

(2)制度見直しの視点
 財政負担の削減を一番の目的とするのではなく、まずはきめ細かい福祉施策、無駄な行政コストの削減という観点から制度を見直すという視点が第一であるべきである。

(3)市民意見の聴取
 本制度の見直しについては、利用者ニーズの実態把握を図るとともに、利用者の意見や、納税者の意見など、広く市民の意見を踏まえて検討すべきである。

(4)利用者に対する啓発
 本制度は、納税者として本制度を支える市民がいるからこそ実施できるものである。適正利用の促進の観点からも、利用者に対して、本制度の仕組みや実態を知ってもらうことが必要である。

(5)より効果的な施策の検討
 本制度の目的のひとつである「移動支援」という観点からは、福祉パスを交付するよりも効果的な方法が他にあるのではないか。制度の有効性を絶えず検証しながら、限られた予算をより効果的な施策に向けていくという考え方も必要である。

~~~~
# 生活保護世帯に対しては以下の支援もあり、二重支援になっている。
①求職活動の交通費・・・生活扶助の移送費。通勤費用については、勤労収入より必要経費として控除
②通院交通費・・・医療扶助の移送費
③その他日常的な社会活動に要する交通費は、基準生活費により賄う。
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