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神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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原発のない国へ/政治の意思を明確にして進め <神戸新聞 社説 2011/09/09>を編集

 東京電力福島第一原発の事故から半年になる。前首相の菅直人は「原発に依存しない社会」を掲げ、再生エネルギー特別措置法などの成立と引換えに政権を明け渡した。首相の野田佳彦は就任早々、「脱原発依存」路線の継承を明言した。
 原発の暴走は手の施しようがなく、放射能による危害は深刻だ。住民は家や土地を追われ、帰る見込みも立たない。
 わたしたちは原発と決別すべきと考える。時間をかけて原発をなくしたい。
 地震、津波が不可避の日本では同様の事故を繰り返さない保障はないからだ。割高でも、不安定でも、安全なエネルギーに比重を移すべきである。
 ただ、半世紀以上かけて築いた原子力政策である。付随して解決すべき問題は多く、放棄するにしても慎重な対応が求められる。新政権は政治の意思を明確にし、脱原発の道筋と目指す社会像を国際社会に示す責任がある。
 経済産業相の鉢呂吉雄は、停止中の原発の再稼働について、こう語っている。
 経産省原子力安全・保安院、原子力安全委員会の評価を求め、政府がつくる基準で判断し、立地地域の理解を得る。客観性を持たせるため、国際原子力機関(IAEA)の判断を加える。
 信頼に足るストレステストにできるか、再稼働のお墨付きを与えるだけにならないか。二重にチェックする仕組みが不可欠で、新政権は力量を試される。
 もう一つの問題は、放射能で汚染された地域の除染を、どう進めるかだ。
 剥ぎ取った表土などの廃棄物を、どこへ持っていくか。国は最終処分地を示していない。地元につくる中間貯蔵施設でしばらく管理するのは現実的だが、固定化させてはならない。地元の理解を得て進めることが前提となる。

□耐震性に根強い不安
 経産相は新規建設は困難で、原発はゼロになるとの見通しも示した。
 中部電力浜岡原発の停止、ストレステストの導入、電力会社の地域独占体制の見直し…。いずれも前首相が表明したことだが、政府内での調整は不足していた。政治手法が未熟だったということに尽きるが、これでは社会は混乱する。
 野田新政権は、脱原発へ舵を切る理由を丁寧に説明することだ。そこへ向かう工程と、原発に代わるエネルギー政策の全体像を示さなくてはならない。
 わたしたちが原発を放棄すべきという理由の一つは、過酷事故への対応が手に余ることを知ったからだ。ありあわせの技術で暴走を食い止めるほかない。崩れ落ちた核燃料を安全に取り出す方法や技術も確立されていない。廃炉の道のりは苦難に満ちたものになる。
 耐震性への根強い不安もある。東電は冷却系の重要な配管などに地震による損傷はなかった、とした。だが、水素爆発前の1号機での急速な水位低下など説明のつかない現象も起きており、地震による損傷を疑う声は少なくない。
 事実なら、耐震性が不十分ということだ。2007年の新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原発が想定を超える揺れで損傷し、国は耐震指針を見直した。今度も地震による損傷となれば、耐震指針は安全のよりどころでなくなる。
 地震多発国で原発がどれほどの揺れに耐えられるか、裏づけがないまま動かし続けることほど恐ろしいことはない。
 安全に対する誠実さという点でも電力会社や国の姿勢に不信をぬぐえない。
 東京電力が今回の津波を想定外としてきたことは事実でなかった。2008年に15mを超す津波の到来を試算していた。原子力安全・保安院に報告したが、対策を怠った。東京電力は「あくまで試算。設備や運用に反映する類いの内容でないと判断した」と釈明した。何のために試算や想定はあるのか、耳を疑ってしまう。

□世界に向け発信せよ
 最悪のレベル7を経験しても、国や電力業界の体質は少しも変わらない。
 脱原発依存を掲げる新政権は、前政権のように目の前の問題に場当たり的に対処することは許されない。
 事故を受け、政府は2030年までに14基以上の原発を新増設するとしたエネルギー基本計画を、早々と撤回した。
 自民党政権以来、エネルギー政策の根幹としてきた核燃料サイクル計画の抜本的見直しも避けて通れない。
 中核をなす青森県の六ケ所再処理工場の役割も変わるだろう。本来、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出す施設だが、原発で燃やすあてがなくなれば、比較的安全な状態にして捨てることに比重を移さざるを得ない。
 プルトニウムを燃料とする高速増殖炉もんじゅの取り扱いも差し迫った課題だ。ナトリウム事故以来、満足に動いていない。実用性は未知数。蓄積した技術をどう継承するか、検討すべき課題も残すが、廃炉を決断する時期にきている。
 過酷な事故は核兵器がもたらす悲惨と変わらない。政府は原発輸出を認める方針だが、原発を持つ国が広がれば、事故の確率も増す。慎重に取り扱うべきだ。世界の核不拡散にどう貢献するかについても、日本は語らねばならない。原発をどうするという内向きの議論で終わらせないことだ。

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# ノーモア ヒロシマ、ノーモア ナガサキ、ノーモア ビキニ。そしてノーモア フクシマ。
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