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海上アクセス:航路事業だけでは赤字 自立経営波高く <神戸新聞 2012/02/12 15:45>を編集
民事再生法の適用申請で、経営再建を図ることになった神戸市の第3セクター 海上アクセス(株)。乗客の増加などを背景に自立した経営を促すため、神戸市は、2012年度予算案に海上アクセス(株)への補助金を盛り込まない方向で調整している。ただ、神戸市の外部委員会は「現状では安定した自立経営は難しい」と指摘しており、収益構造の抜本的な改善が求められる。
海上アクセス(株)が民事再生法の適用申請に追い込まれたのは、約167億円(2010年度末)にも上る累積赤字が原因だ。このうち約158億円は1994~2002年のK-JET時代に抱えた。
神戸空港開港の2006年に運航を再開した際に「毎年の黒字で41年かけて累損を解消する」との計画だったが、初年度から頓挫した。神戸市は単年度の収支均衡を図るため、翌年度から補助金の投入を開始。補助金は2007年度に2億1900万円で、2011年度までに高速船の減価償却費など計約7億円に上る。
一方、海上アクセス(株)は、アジアなど外国人観光客をはじめ利用者の増加、補助金効果、経営改善などから、2009年度から3年連続で単年度黒字を達成する見込み。2011年度の補助金は4600万円まで減額した。2011/04には初の運賃値上げに踏み切り、自立経営が見えつつある。
しかし、船の減価償却は残り、燃料費高騰に加え、関西空港島内のターミナルビル~乗船場のシャトルバス運行などが足かせとなり、航路事業だけでは赤字。ポートアイランドの駐車場など他の事業で補い、経営を維持している。
こうした点から、神戸市の外部委員会は2次破綻の懸念を示し「神戸市は必要な支援をしていくことを市民に説明すべきだ」と指摘する。他の外郭団体との統合による経営基盤安定化や、乗客の増加策などは、民事再生法申請後に策定される再建計画に掛かってくる。
~~~~
海上アクセス:民事再生法申請へ <神戸新聞 2012/02/12 09:50>を編集
高速船 神戸・関空ベイ・シャトルを運航する神戸市の第3セクター 海上アクセス(株)(神戸市中央区)が近く、神戸地裁に民事再生法の適用を申請することが2012/02/11、分かった。負債総額は約138億円とみられる。債務超過を解消し、事業は継続する。神戸市は海上アクセス(株)への出資・貸付金約132億円を損失として、2012年度予算案で港湾事業会計に計上する方針。
債権の大半を保有する神戸市などは海上アクセス(株)の債務整理にあたって、今後の経営改善で配当などが期待できる手法として、債務を株式に振り替える「債務の株式化」を採用。債務超過の海上アクセス(株)の場合、神戸市と神戸市開発管理事業団による貸付金計約133億円は、株式に振り替えて時価評価すると約2億円とみられる。神戸市側の損失は、その差額と出資金約1億円を合わせ計約132億円になる見通し。神戸市は2012/02/24に開会する定例市会での審議を経た上で処理を進める。並行して、海上アクセス(株)も神戸地裁への申立て手続きに入る。
海上アクセス(株)をめぐっては、神戸市が設けた外部委員会(委員長:大阪産業大学教授 宮下国生)が2011年末の最終意見で「(航路は)公益性が高い」とし、早急な債務解消を条件に、3セクによる航路継続を認めた。手続きの透明性確保の点から、再建型の法的整理である民事再生法を活用した上で、債務の株式化を提言していた。
海上アクセス(株)は1994年の関西空港開港に合わせてK-JETを就航したが、利用低迷で2002年に休止した。2006年の神戸空港開港に伴い両空港を約30分で結ぶ 神戸・関空ベイ・シャトル を再開。
利用者は増加傾向で、2010年度に過去最高の39万人を記録した。しかし、運航再開時に旧航路からの累積赤字約152億円を引き継いだため、経営を圧迫し、2010年度末で約167億円に上る。神戸市は出資金、貸付金の他、2007~2011年度に計約7億円の補助金を投入している。
【債務の株式化】
事業再生の一手法。債務と交換に株式を発行すること。債務者にとって過剰債務を減らし、財務体質の健全化につながる。一方、債権者も債権をすべて放棄せずに一部を株式に交換するので、再建計画が順調に進み、株式価値が上がれば利益を得られる仕組み。
民事再生法の適用申請で、経営再建を図ることになった神戸市の第3セクター 海上アクセス(株)。乗客の増加などを背景に自立した経営を促すため、神戸市は、2012年度予算案に海上アクセス(株)への補助金を盛り込まない方向で調整している。ただ、神戸市の外部委員会は「現状では安定した自立経営は難しい」と指摘しており、収益構造の抜本的な改善が求められる。
海上アクセス(株)が民事再生法の適用申請に追い込まれたのは、約167億円(2010年度末)にも上る累積赤字が原因だ。このうち約158億円は1994~2002年のK-JET時代に抱えた。
神戸空港開港の2006年に運航を再開した際に「毎年の黒字で41年かけて累損を解消する」との計画だったが、初年度から頓挫した。神戸市は単年度の収支均衡を図るため、翌年度から補助金の投入を開始。補助金は2007年度に2億1900万円で、2011年度までに高速船の減価償却費など計約7億円に上る。
一方、海上アクセス(株)は、アジアなど外国人観光客をはじめ利用者の増加、補助金効果、経営改善などから、2009年度から3年連続で単年度黒字を達成する見込み。2011年度の補助金は4600万円まで減額した。2011/04には初の運賃値上げに踏み切り、自立経営が見えつつある。
しかし、船の減価償却は残り、燃料費高騰に加え、関西空港島内のターミナルビル~乗船場のシャトルバス運行などが足かせとなり、航路事業だけでは赤字。ポートアイランドの駐車場など他の事業で補い、経営を維持している。
こうした点から、神戸市の外部委員会は2次破綻の懸念を示し「神戸市は必要な支援をしていくことを市民に説明すべきだ」と指摘する。他の外郭団体との統合による経営基盤安定化や、乗客の増加策などは、民事再生法申請後に策定される再建計画に掛かってくる。
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海上アクセス:民事再生法申請へ <神戸新聞 2012/02/12 09:50>を編集
高速船 神戸・関空ベイ・シャトルを運航する神戸市の第3セクター 海上アクセス(株)(神戸市中央区)が近く、神戸地裁に民事再生法の適用を申請することが2012/02/11、分かった。負債総額は約138億円とみられる。債務超過を解消し、事業は継続する。神戸市は海上アクセス(株)への出資・貸付金約132億円を損失として、2012年度予算案で港湾事業会計に計上する方針。
債権の大半を保有する神戸市などは海上アクセス(株)の債務整理にあたって、今後の経営改善で配当などが期待できる手法として、債務を株式に振り替える「債務の株式化」を採用。債務超過の海上アクセス(株)の場合、神戸市と神戸市開発管理事業団による貸付金計約133億円は、株式に振り替えて時価評価すると約2億円とみられる。神戸市側の損失は、その差額と出資金約1億円を合わせ計約132億円になる見通し。神戸市は2012/02/24に開会する定例市会での審議を経た上で処理を進める。並行して、海上アクセス(株)も神戸地裁への申立て手続きに入る。
海上アクセス(株)をめぐっては、神戸市が設けた外部委員会(委員長:大阪産業大学教授 宮下国生)が2011年末の最終意見で「(航路は)公益性が高い」とし、早急な債務解消を条件に、3セクによる航路継続を認めた。手続きの透明性確保の点から、再建型の法的整理である民事再生法を活用した上で、債務の株式化を提言していた。
海上アクセス(株)は1994年の関西空港開港に合わせてK-JETを就航したが、利用低迷で2002年に休止した。2006年の神戸空港開港に伴い両空港を約30分で結ぶ 神戸・関空ベイ・シャトル を再開。
利用者は増加傾向で、2010年度に過去最高の39万人を記録した。しかし、運航再開時に旧航路からの累積赤字約152億円を引き継いだため、経営を圧迫し、2010年度末で約167億円に上る。神戸市は出資金、貸付金の他、2007~2011年度に計約7億円の補助金を投入している。
【債務の株式化】
事業再生の一手法。債務と交換に株式を発行すること。債務者にとって過剰債務を減らし、財務体質の健全化につながる。一方、債権者も債権をすべて放棄せずに一部を株式に交換するので、再建計画が順調に進み、株式価値が上がれば利益を得られる仕組み。
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海上アクセス:債務超過解消 検討委が最終意見 <MSN産経 2011/12/28 02:10>を編集
神戸市みなと総局が所管する5つの外郭団体の見直しを考える有識者による検討委員会が2011/12/27、最終意見をまとめた。神戸~関空を結ぶベイシャトルを運営する海上アクセス(株)の債務超過について、神戸市などが保有する債権を株式に転換する債権の資本化の手法で解消することを提案した。神戸市は「2012年度以降の事業として速やかに着手したい」としている。
最終意見書では、海上アクセス(株)について「公益性が高く、関空の格安航空会社(LCC)就航などで旅客の伸びも期待できる」と事業継続を提言。約131億円(2010年度末時点)に上る債務超過については、神戸市などの保有する債権を資本に組み入れるデット・エクイティ・スワップ(DES)方式で早期解消することを提案した。
航空貨物の仕分けなどを手がける神戸航空貨物ターミナル(ACT)についても「黒字基調で事業継続が妥当」と判断。商業施設運営など同様の事業を展開する財団法人神戸市開発管理事業団と神戸ニュータウン開発センターの経営統合なども求めた。一方、H14年から休眠状態の神戸航空交通ターミナル(CAT)については「年度内にも早期解散・清算すべき」と結論づけた。
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神戸市外郭団体見直し:検討委中間意見受け <MSN産経 2011/09/13 02:10>を編集
神戸市長の矢田立郎は2011/09/12の記者会見で、経営が悪化している外郭団体のあり方を検討した委員会の中間意見について「次世代に負担を残さないため問題の先送りはできない。最終報告を踏まえ年度内にも対応を決定する」と述べた。
委員会では、神戸~関空を結ぶベイシャトルを運営する海上アクセス(株)については債務整理を条件に存続妥当と判断したが、神戸市は「民事再生手続きなど具体的な債務整理の方法を検討する」とした。休眠状態で早期の解散が必要と指摘された神戸航空交通ターミナルには「特別清算について検討を進める」。破産清算が妥当とされた神戸市住宅供給公社には「破産による解散も視野に関係者と協議する」と説明した。
その他の検討対象となった団体についても神戸市は「抜本的な見直しを検討する」とした。一方、シーサイドホテル舞子ビラ神戸事業については「ゼロベースで検討する」と明言を避けた。
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# 神戸新聞の記事がたるいので。
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神戸市みなと総局外郭団体見直し:海上アクセスについて民事再生手続き検討を外部委が提言 <神戸新聞 2011/09/03 11:20>を編集
神戸市みなと総局の外郭団体5つについて、事業再生などを検討してきた神戸市のみなと総局外郭団体あり方検討委員会が2011/09/02、中間報告をまとめた。(略略)
委員会は2011年内に最終報告をまとめる予定。
~~~~
以下、
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2011/09/img/20110902171001-3.pdf
より適当に編集
みなと総局外郭団体あり方検討委員会
大阪産業大学経営学部教授 宮下國生 ◎
神戸学院大学法科大学院教授・弁護士 大塚明
公認会計士・税理士 亀沖正典
弁護士 藤本久俊
====
1.(財)神戸市開発管理事業団→NT社に事業譲渡して消滅せよ。
ア 事業団については、当初の設立目的であったプールや野球場等の体育レクリエーション施設運営が、施設の廃止等で縮小する他、会館運営についてもあり方について抜本的な見直しを行うことが神戸市、事業団にとって喫緊の課題となっている。公益法人制度改革を契機として、経営検討委員会の提言でも指摘されている、更なる事業の再構築や役員・執行体制の見直しなどに取り組む必要がある。
イ 事業団の賃貸施設運営事業は、ポートアイランド2期でのパイロット事業としてのビル建設・運営等を行うなど、財団としての事業展開の意義があった。しかし、現在、景気の影響による入居率の低下や、施設の老朽化に伴う補修・改修工事の必要性の高まりなど、事業を取り巻く環境は年々厳しくなっており、今後は民間企業の経営ノウハウを取り入れ、既存物件の収益力の向上や計画的な設備投資などのより戦略的な事業展開が求められている。
ウ 事業団と後述の株式会社神戸ニュータウン開発センター(NT社)は、商業施設運営事業をニュータウンの近接した多くの地域で行っている。そのため、両団体の組織形態には相違はあるものの、それを乗り越えて、全体の事業を整理・統合する道を探ることが望ましいと考える。
エ 具体的な統合手法としては、事業団がNT社に事業譲渡することで経営統合すべきである。統合により、経営の効率化を図るのみならず、事業団は株式会社による戦略的な経営に転換し、財務体質が強固とは言えないNT社の財政基盤を強化するなど、お互いにデメリットを補完しつつ、両団体のもつ知識やノウハウを基に、賃貸ビルのテナント誘致や、近隣センター、サブセンター(団地内小規模商業施設)の活性化のための共同の販売促進活動、サービス向上に向けた取り組みを実施していくべきである。
オ なお、公益施設運営事業や体育レクリエーション施設運営事業について、収益性の観点から株式会社であるNT社が譲渡をうけることができない事業は、神戸市が暫定的にこれを引き継ぎ、関係部局への移管、神戸市の直営化、廃止等の検討を行うべきである。
====
2.(株)神戸ニュータウン開発センター「NT社」→財務体質改善のため、事業団と統合して存続せよ。
5つのショッピングモール(須磨パティオ(名谷駅)、リファーレ横尾(妙法寺駅)、キャンパススクエア(学園都市駅)、プレンティ(西神中央駅)、セリオ(西神南駅))の運営会社。
ア NT社については、ニュータウンのオールドタウン化、施設の老朽化等、NT社独自として問題を抱えており、周辺での郊外型の大規模ショッピングセンター等競合施設の出現や住民の消費行動の変化等外部環境も変化していて、その経営環境は、中長期的には不安定な要素を抱えており、速やかにこれらに対応可能な体制を整えなければ、近い将来、急激に経営状況が悪化するおそれなしとしない。また、多額の負債を抱える一方、現金預金は少なく、財務体質は決して強固とは言えない。
イ 早急に財務体質を改善するためにも、ほぼ同じ場所に不動産を有して賃貸に供しており、商業施設の運営という同種の事業を実施している事業団と統合すべきである。統合により、NT社においては経営基盤の安定化を図るとともに、これまでの株式会社として培ってきた経営ノウハウを、事業団の運営する不動産事業にも注入し、相乗効果による収益力の強化に努めるべきである。
ウ 統合にあたっては、神戸市の持株比率が89%であるため、NT社の少数株主・債権者(借入先金融機関他)へ十分に説明し、対応する必要がある。
エ 統合にあたっては、事業団資産の事業譲渡に伴う課税負担が生じる他、現在特定法人として法人税が課税されない事業団の不動産賃貸事業の利益に対しても法人税が課税されることとなる。しかし、税負担が大きいから方針を変更するというのではなく、相乗効果による収益力の強化や経営の効率化を進めることにより、これを上回る統合のメリットを生み出すべきである。
====
3.神戸航空貨物ターミナル(株)「ACT社」→事業継続せよ。
神戸航空貨物ターミナルを整備運営する会社。
ア ACT社は、通関・検疫サービスと一体になって運営され、迅速な通関・物流機能を果たしており、国際港湾物流都市としての神戸を支え、神戸の産業発展にとって必要なものである。
イ 航空貨物において集荷力を持つのはキャリア(航空会社)ではなくフォワーダー(利用運送事業者)であり、フォワーダーはまた荷主の物流戦略に対して多様な提案を行う。その場合に重要なのは、混載事業を荷主の近くで展開するという現場感覚と物流システムとの擦り合わせを行う能力である。この点を踏まえると、ACT社が物流業界で優位性を持つのは、単なる混載基地ではなくて通関までをも含む一貫物流システムをフォワーダーに提供できるというコアコンピタンス(他社が真似できない核となる能力)を有することである。このようなソフトインフラを持つACT社は、中小荷主企業や中小物流業に対して、インキュベーター機能をも果たすベンチャービジネスとしても位置づけられる。国際港湾物流都市神戸にとって、ACT社の優れた機能は物流先端都市のイメージを向上させ、さらに航空物流を発展させる潜在力の強化に資するものと評価できる。
ウ 神戸空港の今後の姿が必ずしも明確でない現在、ACT社の将来像を明確に描ききることは困難であるが、現在有する通関・検疫機能を現時点で放棄することは、将来発展への優れた資産を失うことに直結する可能性がある。現時点で一応の採算収支がとれていることから、現在有する機能を最大限活用しつつ、本事業は継続することが望ましく、近い将来に、さらに航空貨物のロジスティクス(総合的戦略物流)機能を充実させることが期待される。
エ 経営検討委員会から指摘された規模のメリットを希求した事業手法の見直しについては、そのメリットが現時点ではまだ必ずしも明確になっておらず、最終意見に向けて引き続き検証していくこととしたい。
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4.神戸航空交通ターミナル(株)「CAT社」→会社を特別清算せよ。
出国審査とチェックイン機能を持つ神戸シティエアターミナル(KCAT)の運営、KCATと三宮を結ぶリムジンバスの運営を目的として、1989/12/21に設立された。
2010年度末現在で、資本金23億8000万円(神戸市出資比率43.1%)。約6億7000万円の債務超過(借入金:神戸市7億2300万円)。累積損失約30億5000万円。
ア CAT社の設立目的であるシティエアターミナル機能の再開の目途はない。単なる海上アクセス航路の旅客ターミナル事業であれば、今後も海上アクセス社が航路事業と一体的に行うことが妥当であり、CAT社の事業をこれ以上継続する価値は認められず、CAT社の歴史的使命は終えたと思われ、速やかにこれを解散し、清算すべきである。
イ 解散・清算の手続としては、透明性、客観性を担保するため、破産手続開始申立てによる法的整理も考えられる。しかしCAT社は債権者が限られており、申立費用を節約することもできるので、自主的手続である特別清算によることが相当である。神戸市においては、その貸付金債権について、まずは弁済を求めるべきであるが、債務超過を抱える団体であるため、弁済されない部分については債権を放棄する必要がある。
ウ 税務面においても、解散した場合において残余財産がないと見込まれるときは、解散の場合の期限切れ欠損金の損金算入の規定が適用できるため、神戸市の債権放棄の結果、CAT社に債務免除益が発生しても課税は生じない。
====
5.海上アクセス(株)→民事再生で債務整理して事業継続せよ。
神戸と関西国際空港を海上ルートで高速かつ快適に結ぶことを目的として、民間の旅客船会社が中心となって設立した株式会社。神戸市が1994/06、関空の開港にあわせて資本参加。
現在、神戸市と神戸市の外郭団体を合わせた持株比率は74%。資本金は35億円(神戸市出資比率27.65%)。2010年度末現在で、約131億5000万円の債務超過(借入金:神戸市 約102億円、(財)神戸市開発管理事業団 約34億円)。累積損失が約166億5000万円。
ア 海上アクセス社の航路事業には、①平常時の旅客の確保サービスの公益性(多様なアクセスの確保、両空港連携の観点)、②平常時の訪日旅客の確保サービスの公益性(神戸観光産業への寄与)、③危機管理対応サービスの公益性(災害時等の代替機能の観点)の大きく3つの公益性が認められる。2010年度には39万人の利用があり、年間約60万人に利用されるリムジンバスと並び、主要な交通アクセスとして浸透しつつある。また、関空に到着し、大阪・京都に向かう訪日旅客を獲得するための重要なインフラとしての認知度も高まっており、この流れを断ち切ることは、市民の得る利益を損なうことになる。また、現状においては、民間企業による運航は困難であり、経営改善が進んでいる現段階においては、第3セクターである海上アクセス社が、引き続き事業を継続していく意義も認められるが、多額の債務超過状態のまま継続することは妥当ではない。
イ このため、海上アクセス社については、ほとんどが航路再開前のものである多額の債務を整理した上、健全な財務体質のもとで航路事業を継続し、市民の利便性の確保と神戸市経済の活性化に貢献していくことが適切である。この再開前の債務整理については、当時、船種をジェットフォイルから高速船にかえることで運航経費を1/3程度に圧縮できる一方、関空では第2期滑走路の開港により需要が大きく伸びるという見通しがあり、そのような段階で債務を整理すべきではないという意見があったかもしれない。しかし、今振り返ってみると、航路再開にあたって債務整理を怠り、多額の債務を残したまま事業再開したこと自体が問題であり、過去の負の遺産である巨額負債は現時点で整理すべきである。
ウ 債務整理の手法であるが、債権放棄や債権資本化(DES)が実施された場合、大口債権者2名(神戸市と(財)神戸市開発管理事業団)のみで136億円に近い債務免除益、債務消滅益が生じることになるが、新たな現金収入があるわけでないにもかかわらず、この多額の債務免除益、債務消滅益は税務上の所得として課税の対象となる。したがって、このような課税を避けるためには、青色欠損金(2010年度末で約6億5000万円)の損金算入のみでは対応できず、「期限切れ欠損金(2010年度末で約158億4000万円)の損金算入」の適用が絶対条件となる。再建型整理においてこの特例が適用できるのは、民事再生手続、一定の私的整理、多数債権者の協議等による合理的な私的整理の各場合である。
エ これらの内どの手続を選択するかについては、債務整理には透明性、客観性が求められることから、再建型の法的整理である民事再生手続の活用を検討すべきである。そしてその中で、株主責任を明確にするために100%減資した後、神戸市と事業団の債権放棄またはDES、あるいはそれらの組み合わせにより、債務超過を解消することを検討すべきである。この際、航路再開後の債権については、返済可能性に応じて分割返済とすることが妥当である。
オ ただし、仮に民事再生手続を選択するとしても、具体的にどのような再生計画を策定するのか、債権の放棄かDESか、どういう手法を採るかは今後の検討課題である。
カ これまで、民事再生手続などの法的手続きは、神戸市の外郭団体での適用事例は少なかったと思われるが、本来、これらの手続は事業の再生を図ることを目的とする手続である。手続面や税務面でも活用するメリットがあることから、今後は、これらの手続も十分に検討していく必要がある。
キ また、DESを選択肢に加えている理由であるが、債権者である神戸市と事業団にとって、債権の全部または一部を全面的に放棄しないで株式に交換しておくことによって、将来、再建計画が成功し、株式の価値が上昇したときに利益を得ることが可能となる。一方、債務者である海上アクセス社にとっても、DESは債務を資本に振り替えることにより過剰債務を減少し、債務超過を解消できるメリットがある手法であり、本案件の債務整理に有効な手法であると考えられるためである。
ク なお、民事再生手続においては、事業譲渡のうえで海上アクセス社は清算する、いわゆる第2会社方式という手法も考えられる。しかし、譲渡先の選定、譲渡にかかるコスト、運航免許の問題もある中で、また、利用促進や経営改善の途上では事業譲渡は難しく、現経営陣のもと、現行スキームで継続してベイ・シャトルのポテンシャルを最大限発揮させるべきであろう。
ケ 最後に、債務整理の過程では、過去の、「運営資金が不足し多額の借入を行わざるを得ない状況となり債務超過に陥った」事実を直視し、今後の経営に活かすことが求められる。
海上アクセス:債務超過解消 検討委が最終意見 <MSN産経 2011/12/28 02:10>を編集
神戸市みなと総局が所管する5つの外郭団体の見直しを考える有識者による検討委員会が2011/12/27、最終意見をまとめた。神戸~関空を結ぶベイシャトルを運営する海上アクセス(株)の債務超過について、神戸市などが保有する債権を株式に転換する債権の資本化の手法で解消することを提案した。神戸市は「2012年度以降の事業として速やかに着手したい」としている。
最終意見書では、海上アクセス(株)について「公益性が高く、関空の格安航空会社(LCC)就航などで旅客の伸びも期待できる」と事業継続を提言。約131億円(2010年度末時点)に上る債務超過については、神戸市などの保有する債権を資本に組み入れるデット・エクイティ・スワップ(DES)方式で早期解消することを提案した。
航空貨物の仕分けなどを手がける神戸航空貨物ターミナル(ACT)についても「黒字基調で事業継続が妥当」と判断。商業施設運営など同様の事業を展開する財団法人神戸市開発管理事業団と神戸ニュータウン開発センターの経営統合なども求めた。一方、H14年から休眠状態の神戸航空交通ターミナル(CAT)については「年度内にも早期解散・清算すべき」と結論づけた。
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神戸市外郭団体見直し:検討委中間意見受け <MSN産経 2011/09/13 02:10>を編集
神戸市長の矢田立郎は2011/09/12の記者会見で、経営が悪化している外郭団体のあり方を検討した委員会の中間意見について「次世代に負担を残さないため問題の先送りはできない。最終報告を踏まえ年度内にも対応を決定する」と述べた。
委員会では、神戸~関空を結ぶベイシャトルを運営する海上アクセス(株)については債務整理を条件に存続妥当と判断したが、神戸市は「民事再生手続きなど具体的な債務整理の方法を検討する」とした。休眠状態で早期の解散が必要と指摘された神戸航空交通ターミナルには「特別清算について検討を進める」。破産清算が妥当とされた神戸市住宅供給公社には「破産による解散も視野に関係者と協議する」と説明した。
その他の検討対象となった団体についても神戸市は「抜本的な見直しを検討する」とした。一方、シーサイドホテル舞子ビラ神戸事業については「ゼロベースで検討する」と明言を避けた。
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# 神戸新聞の記事がたるいので。
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神戸市みなと総局外郭団体見直し:海上アクセスについて民事再生手続き検討を外部委が提言 <神戸新聞 2011/09/03 11:20>を編集
神戸市みなと総局の外郭団体5つについて、事業再生などを検討してきた神戸市のみなと総局外郭団体あり方検討委員会が2011/09/02、中間報告をまとめた。(略略)
委員会は2011年内に最終報告をまとめる予定。
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以下、
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2011/09/img/20110902171001-3.pdf
より適当に編集
みなと総局外郭団体あり方検討委員会
大阪産業大学経営学部教授 宮下國生 ◎
神戸学院大学法科大学院教授・弁護士 大塚明
公認会計士・税理士 亀沖正典
弁護士 藤本久俊
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1.(財)神戸市開発管理事業団→NT社に事業譲渡して消滅せよ。
ア 事業団については、当初の設立目的であったプールや野球場等の体育レクリエーション施設運営が、施設の廃止等で縮小する他、会館運営についてもあり方について抜本的な見直しを行うことが神戸市、事業団にとって喫緊の課題となっている。公益法人制度改革を契機として、経営検討委員会の提言でも指摘されている、更なる事業の再構築や役員・執行体制の見直しなどに取り組む必要がある。
イ 事業団の賃貸施設運営事業は、ポートアイランド2期でのパイロット事業としてのビル建設・運営等を行うなど、財団としての事業展開の意義があった。しかし、現在、景気の影響による入居率の低下や、施設の老朽化に伴う補修・改修工事の必要性の高まりなど、事業を取り巻く環境は年々厳しくなっており、今後は民間企業の経営ノウハウを取り入れ、既存物件の収益力の向上や計画的な設備投資などのより戦略的な事業展開が求められている。
ウ 事業団と後述の株式会社神戸ニュータウン開発センター(NT社)は、商業施設運営事業をニュータウンの近接した多くの地域で行っている。そのため、両団体の組織形態には相違はあるものの、それを乗り越えて、全体の事業を整理・統合する道を探ることが望ましいと考える。
エ 具体的な統合手法としては、事業団がNT社に事業譲渡することで経営統合すべきである。統合により、経営の効率化を図るのみならず、事業団は株式会社による戦略的な経営に転換し、財務体質が強固とは言えないNT社の財政基盤を強化するなど、お互いにデメリットを補完しつつ、両団体のもつ知識やノウハウを基に、賃貸ビルのテナント誘致や、近隣センター、サブセンター(団地内小規模商業施設)の活性化のための共同の販売促進活動、サービス向上に向けた取り組みを実施していくべきである。
オ なお、公益施設運営事業や体育レクリエーション施設運営事業について、収益性の観点から株式会社であるNT社が譲渡をうけることができない事業は、神戸市が暫定的にこれを引き継ぎ、関係部局への移管、神戸市の直営化、廃止等の検討を行うべきである。
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2.(株)神戸ニュータウン開発センター「NT社」→財務体質改善のため、事業団と統合して存続せよ。
5つのショッピングモール(須磨パティオ(名谷駅)、リファーレ横尾(妙法寺駅)、キャンパススクエア(学園都市駅)、プレンティ(西神中央駅)、セリオ(西神南駅))の運営会社。
ア NT社については、ニュータウンのオールドタウン化、施設の老朽化等、NT社独自として問題を抱えており、周辺での郊外型の大規模ショッピングセンター等競合施設の出現や住民の消費行動の変化等外部環境も変化していて、その経営環境は、中長期的には不安定な要素を抱えており、速やかにこれらに対応可能な体制を整えなければ、近い将来、急激に経営状況が悪化するおそれなしとしない。また、多額の負債を抱える一方、現金預金は少なく、財務体質は決して強固とは言えない。
イ 早急に財務体質を改善するためにも、ほぼ同じ場所に不動産を有して賃貸に供しており、商業施設の運営という同種の事業を実施している事業団と統合すべきである。統合により、NT社においては経営基盤の安定化を図るとともに、これまでの株式会社として培ってきた経営ノウハウを、事業団の運営する不動産事業にも注入し、相乗効果による収益力の強化に努めるべきである。
ウ 統合にあたっては、神戸市の持株比率が89%であるため、NT社の少数株主・債権者(借入先金融機関他)へ十分に説明し、対応する必要がある。
エ 統合にあたっては、事業団資産の事業譲渡に伴う課税負担が生じる他、現在特定法人として法人税が課税されない事業団の不動産賃貸事業の利益に対しても法人税が課税されることとなる。しかし、税負担が大きいから方針を変更するというのではなく、相乗効果による収益力の強化や経営の効率化を進めることにより、これを上回る統合のメリットを生み出すべきである。
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3.神戸航空貨物ターミナル(株)「ACT社」→事業継続せよ。
神戸航空貨物ターミナルを整備運営する会社。
ア ACT社は、通関・検疫サービスと一体になって運営され、迅速な通関・物流機能を果たしており、国際港湾物流都市としての神戸を支え、神戸の産業発展にとって必要なものである。
イ 航空貨物において集荷力を持つのはキャリア(航空会社)ではなくフォワーダー(利用運送事業者)であり、フォワーダーはまた荷主の物流戦略に対して多様な提案を行う。その場合に重要なのは、混載事業を荷主の近くで展開するという現場感覚と物流システムとの擦り合わせを行う能力である。この点を踏まえると、ACT社が物流業界で優位性を持つのは、単なる混載基地ではなくて通関までをも含む一貫物流システムをフォワーダーに提供できるというコアコンピタンス(他社が真似できない核となる能力)を有することである。このようなソフトインフラを持つACT社は、中小荷主企業や中小物流業に対して、インキュベーター機能をも果たすベンチャービジネスとしても位置づけられる。国際港湾物流都市神戸にとって、ACT社の優れた機能は物流先端都市のイメージを向上させ、さらに航空物流を発展させる潜在力の強化に資するものと評価できる。
ウ 神戸空港の今後の姿が必ずしも明確でない現在、ACT社の将来像を明確に描ききることは困難であるが、現在有する通関・検疫機能を現時点で放棄することは、将来発展への優れた資産を失うことに直結する可能性がある。現時点で一応の採算収支がとれていることから、現在有する機能を最大限活用しつつ、本事業は継続することが望ましく、近い将来に、さらに航空貨物のロジスティクス(総合的戦略物流)機能を充実させることが期待される。
エ 経営検討委員会から指摘された規模のメリットを希求した事業手法の見直しについては、そのメリットが現時点ではまだ必ずしも明確になっておらず、最終意見に向けて引き続き検証していくこととしたい。
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4.神戸航空交通ターミナル(株)「CAT社」→会社を特別清算せよ。
出国審査とチェックイン機能を持つ神戸シティエアターミナル(KCAT)の運営、KCATと三宮を結ぶリムジンバスの運営を目的として、1989/12/21に設立された。
2010年度末現在で、資本金23億8000万円(神戸市出資比率43.1%)。約6億7000万円の債務超過(借入金:神戸市7億2300万円)。累積損失約30億5000万円。
ア CAT社の設立目的であるシティエアターミナル機能の再開の目途はない。単なる海上アクセス航路の旅客ターミナル事業であれば、今後も海上アクセス社が航路事業と一体的に行うことが妥当であり、CAT社の事業をこれ以上継続する価値は認められず、CAT社の歴史的使命は終えたと思われ、速やかにこれを解散し、清算すべきである。
イ 解散・清算の手続としては、透明性、客観性を担保するため、破産手続開始申立てによる法的整理も考えられる。しかしCAT社は債権者が限られており、申立費用を節約することもできるので、自主的手続である特別清算によることが相当である。神戸市においては、その貸付金債権について、まずは弁済を求めるべきであるが、債務超過を抱える団体であるため、弁済されない部分については債権を放棄する必要がある。
ウ 税務面においても、解散した場合において残余財産がないと見込まれるときは、解散の場合の期限切れ欠損金の損金算入の規定が適用できるため、神戸市の債権放棄の結果、CAT社に債務免除益が発生しても課税は生じない。
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5.海上アクセス(株)→民事再生で債務整理して事業継続せよ。
神戸と関西国際空港を海上ルートで高速かつ快適に結ぶことを目的として、民間の旅客船会社が中心となって設立した株式会社。神戸市が1994/06、関空の開港にあわせて資本参加。
現在、神戸市と神戸市の外郭団体を合わせた持株比率は74%。資本金は35億円(神戸市出資比率27.65%)。2010年度末現在で、約131億5000万円の債務超過(借入金:神戸市 約102億円、(財)神戸市開発管理事業団 約34億円)。累積損失が約166億5000万円。
ア 海上アクセス社の航路事業には、①平常時の旅客の確保サービスの公益性(多様なアクセスの確保、両空港連携の観点)、②平常時の訪日旅客の確保サービスの公益性(神戸観光産業への寄与)、③危機管理対応サービスの公益性(災害時等の代替機能の観点)の大きく3つの公益性が認められる。2010年度には39万人の利用があり、年間約60万人に利用されるリムジンバスと並び、主要な交通アクセスとして浸透しつつある。また、関空に到着し、大阪・京都に向かう訪日旅客を獲得するための重要なインフラとしての認知度も高まっており、この流れを断ち切ることは、市民の得る利益を損なうことになる。また、現状においては、民間企業による運航は困難であり、経営改善が進んでいる現段階においては、第3セクターである海上アクセス社が、引き続き事業を継続していく意義も認められるが、多額の債務超過状態のまま継続することは妥当ではない。
イ このため、海上アクセス社については、ほとんどが航路再開前のものである多額の債務を整理した上、健全な財務体質のもとで航路事業を継続し、市民の利便性の確保と神戸市経済の活性化に貢献していくことが適切である。この再開前の債務整理については、当時、船種をジェットフォイルから高速船にかえることで運航経費を1/3程度に圧縮できる一方、関空では第2期滑走路の開港により需要が大きく伸びるという見通しがあり、そのような段階で債務を整理すべきではないという意見があったかもしれない。しかし、今振り返ってみると、航路再開にあたって債務整理を怠り、多額の債務を残したまま事業再開したこと自体が問題であり、過去の負の遺産である巨額負債は現時点で整理すべきである。
ウ 債務整理の手法であるが、債権放棄や債権資本化(DES)が実施された場合、大口債権者2名(神戸市と(財)神戸市開発管理事業団)のみで136億円に近い債務免除益、債務消滅益が生じることになるが、新たな現金収入があるわけでないにもかかわらず、この多額の債務免除益、債務消滅益は税務上の所得として課税の対象となる。したがって、このような課税を避けるためには、青色欠損金(2010年度末で約6億5000万円)の損金算入のみでは対応できず、「期限切れ欠損金(2010年度末で約158億4000万円)の損金算入」の適用が絶対条件となる。再建型整理においてこの特例が適用できるのは、民事再生手続、一定の私的整理、多数債権者の協議等による合理的な私的整理の各場合である。
エ これらの内どの手続を選択するかについては、債務整理には透明性、客観性が求められることから、再建型の法的整理である民事再生手続の活用を検討すべきである。そしてその中で、株主責任を明確にするために100%減資した後、神戸市と事業団の債権放棄またはDES、あるいはそれらの組み合わせにより、債務超過を解消することを検討すべきである。この際、航路再開後の債権については、返済可能性に応じて分割返済とすることが妥当である。
オ ただし、仮に民事再生手続を選択するとしても、具体的にどのような再生計画を策定するのか、債権の放棄かDESか、どういう手法を採るかは今後の検討課題である。
カ これまで、民事再生手続などの法的手続きは、神戸市の外郭団体での適用事例は少なかったと思われるが、本来、これらの手続は事業の再生を図ることを目的とする手続である。手続面や税務面でも活用するメリットがあることから、今後は、これらの手続も十分に検討していく必要がある。
キ また、DESを選択肢に加えている理由であるが、債権者である神戸市と事業団にとって、債権の全部または一部を全面的に放棄しないで株式に交換しておくことによって、将来、再建計画が成功し、株式の価値が上昇したときに利益を得ることが可能となる。一方、債務者である海上アクセス社にとっても、DESは債務を資本に振り替えることにより過剰債務を減少し、債務超過を解消できるメリットがある手法であり、本案件の債務整理に有効な手法であると考えられるためである。
ク なお、民事再生手続においては、事業譲渡のうえで海上アクセス社は清算する、いわゆる第2会社方式という手法も考えられる。しかし、譲渡先の選定、譲渡にかかるコスト、運航免許の問題もある中で、また、利用促進や経営改善の途上では事業譲渡は難しく、現経営陣のもと、現行スキームで継続してベイ・シャトルのポテンシャルを最大限発揮させるべきであろう。
ケ 最後に、債務整理の過程では、過去の、「運営資金が不足し多額の借入を行わざるを得ない状況となり債務超過に陥った」事実を直視し、今後の経営に活かすことが求められる。
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