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神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

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【復興日本】第1部 震災から見えた危機(3) 霞が関と温度差歴然 震災対応を地方分権進める機会に <MSN産経 2011/05/12 20:47>を編集
 霞が関と地方。東日本大震災の対応でもその温度差は浮き彫りになった。

 自治体は住民から近い存在で、住民のニーズを素早くくみ上げることができる。震災をめぐっては、反応の鈍い国を尻目に独自の対応を模索する市町村がある。国に代わって復興のイニシアチブを取ろうとする自治体が現れた。宮城県岩沼市だ。

 人口約4万4000人だった岩沼市は、震災で180人を超える死者・行方不明者を出した。岩沼市の総面積約60平方キロのほぼ半分が津波により浸水しており、浸水割合が最も高いという。

 岩沼市は早くも、復興に向けた青写真を独自にまとめている。コンセプトは、再び津波に襲われた際、絶対に守るべき場所と、ある程度の浸水を許容する場所を明確に分けるというもの。守るべき場所の沿岸線に、瓦礫を使って人工の山を複数つくるという。日本三景の松島を抱く宮城県松島町の津波被害が少なかったのは、松島湾の島々が緩衝材になったとみられていることがヒントになった。

 「万里の長城のような防潮堤をつくっても、絶対に津波を防げるということはないことが、今回の災害でよく分かった」と、岩沼市長の井口経明は語る。

 国などがイニシアチブを取る復興計画は画一的になりがち。国や県の顔色をうかがうことなく、「自分たちのまちは自分たちが一番よく知っている」をスローガンにした。

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 「子供を学校に通わせるのは不安でならない」

 例年よりも1週間遅れとなった小中学校の入学式が近づいた2011/04上旬。庁舎が壊れ、約500m離れた施設に移転した福島県郡山市教育委員会の2回線しかない電話が鳴りやむことはなかった。内容は小中学校の校庭の土に付着した放射性物質への不安だ。

 郡山市の対応は素早かった。2011/04/27、郡山市は独自に小中学校15校の校庭の表土除去に着手。地表から1cmの高さで3.8μSv/h以上の放射線が測定された学校が対象となった。

 文部科学省はこれに先立つ2011/04/19、校庭の利用を制限する暫定基準を示している。ただ、放射線測定方法が郡山市より緩い上に、表土除去の必要性についても触れられていない。この基準をめぐっては、東京大学大学院教授の小佐古敏荘が「許すことができない」と危険性を指摘して内閣官房参与を辞任。一方、広島・長崎の被爆者の健康調査をしている放射線影響研究所の研究員は「基準通りにすれば大きな影響はないと思う」としており、専門家でも判断が分かれる。

 郡山市の担当者は悩んだ。「本当に郡山の子供たちに、このまま校庭を使わせて大丈夫なのか」

 郡山市は児童生徒の安全を最優先する判断を下した。伊達市も同様の措置を実施。約200km離れた東京・霞が関と、市民と直に接する市との温度差は明白で、結局、郡山市と伊達市は独自の判断を優先した。

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 これら被災地の対応は、地方自治体の即応性の高さを証明するが、一方で限界もあらわになった。郡山市の場合、除去した表土は校庭に積み上げられたまま。処分場の周辺住民の反発にあったためだ。

 保護者らから「なぜ郡山市のような対応ができないのか」とのクレームが殺到している福島市の担当者は苦しい胸の内を明かす。「不安はよく分かるが、処分方法が決まらないうちは表土の除去はできない」

 放射性物質を含んだ土は放射性廃棄物に当たるのか、一般廃棄物のように運搬していいのか、一般廃棄物のように捨ててもいいか。表土処分にはこれらの問題をクリアしなければならず、市町村が解決することはできない。
 また、表土除去は校庭の放射線量が半分以下になるなど効果がみられたが、費用が今後問題になりそう。郡山市は「費用は国にも負担をお願いしたい」としているが、文科省は「郡山市の独自判断でやったこと」としており、郡山市の持ち出しになる公算が大きい。

 岩沼市の場合も、ネックはやはり財政面だ。岩沼市長の井口は「国の復興計画と方向が違うと、財政支援がなくなるかもしれない」と不安を口にする。せっかくつくった青写真も、財政的な裏付けがなければ画に描いた餅にすぎない。

 「住民のための地方自治」の実践の芽をつまないようにする施策が国には求められる。
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