忍者ブログ

Sclaps KOBE

神戸に関連する/しない新聞記事をスクラップ。神戸の鉄ちゃんのブログは分離しました。人名は全て敬称略が原則。

2024/11    10« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  »12
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

和歌山震度4を受けて

~~~~
中央構造線断層帯(金剛山地東縁~伊予灘)の長期評価(一部改訂)について <2011/02/18 地震調査研究推進本部 地震調査委員会>を添削
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11feb_chuokozo/index.htm

 地震調査研究推進本部は、「地震調査研究の推進について ~地震に関する観測、測量、調査、研究の推進についての総合的かつ基本的な施策~」(1999/04/23)を決定し、この中において、「全国を概観した地震動予測地図」の作成を当面推進すべき地震調査研究の主要な課題とし、また「陸域の浅い地震、あるいは、海溝型地震の発生可能性の長期的な確率評価を行う」とした。

 地震調査委員会では、この決定を踏まえつつ、2006/04までに陸域の活断層として、98断層帯の長期評価を行い公表した。

 中央構造線断層帯(金剛山地東縁~伊予灘)は2004/02/12に公表しているが、その後、最近の調査結果により、活動履歴などに関する新たな知見が得られたことから、これを基に評価の見直しを行い、一部改訂版としてとりまとめた。また、評価の新旧対比表を付録として巻末に示した。

 評価に用いられたデータは量及び質において一様でなく、そのためにそれぞれの評価の結果についても精粗がある。このため、評価結果の各項目について信頼度を付与している。

~~~~
中央構造線断層帯(金剛山地東縁-伊予灘)の評価(一部改訂)
2011/02/18 地震調査研究推進本部 地震調査委員会

 中央構造線断層帯は、近畿地方の金剛山地の東縁から、和泉山脈の南縁、淡路島南部の海域を経て、四国北部を東西に横断し、伊予灘に達する長大な断層帯である。
 ここでは、地質調査所(現:産業技術総合研究所)(1995~2000年度)、和歌山県(1998年度)、徳島県(1997~1999年度)、愛媛県(1996~1999年度)、地域地盤環境研究所(2007年度)によって行われた調査をはじめ、これまで行われた調査研究成果に基づいて、この断層帯の諸特性を次のように評価した。

※中央構造線断層帯については、地震調査研究推進本部地震調査委員会(2003)により、それまで行われていた調査研究に基づいた長期評価が公表されているが、地域地盤環境研究所(2008)などによって新しい知見が得られたことから、今回、金剛山地東縁から和泉山脈南縁に至る範囲について再評価を行った。なお、和歌山市付近ないしその西側の紀淡海峡から伊予灘に至る範囲については、原則、従前の評価を踏襲したものとなっていることに留意されたい。

1.断層帯の位置及び形態

 中央構造線断層帯は、奈良県香芝市から五條市、和歌山県和歌山市、淡路島の兵庫県南あわじ市(旧三原郡南淡町)の南方海域を経て、徳島県鳴門市から愛媛県伊予市まで四国北部をほぼ東西に横断し、伊予灘に達している。断層はさらに西に延びるが、ここでは佐田岬北西沖付近よりも東側を評価の対象とした。全体として長さは約360kmで、右横ずれを主体とし、上下方向のずれを伴う断層帯である。なお、断層帯の最東端の奈良県香芝市から五條市に至る金剛山地東縁部は断層の西側が東側に対して相対的に隆起する逆断層である。

2.断層帯の過去の活動

 中央構造線断層帯は、過去の活動時期の違いなどから、全体が6つの区間に分けられる。

 金剛山地東縁の奈良県香芝市から五條市付近までの区間では、約2000年前以後4世紀以前に最新活動があったと推定され、その平均的な活動間隔は約2000~1万4000年であった可能性がある。

 和泉山脈南縁の奈良県五條市から和歌山市付近に至る区間では、7世紀以後9世紀以前に最新活動があったと推定され、1回の活動に伴う右横ずれ量は4m程度であった可能性がある。また平均的なずれの速度と1回のずれの量から求められる平均的な活動間隔は、約1100~2300年であった可能性がある。

 和歌山市付近ないしその西側の紀淡海峡から鳴門海峡に至る区間の最新活動は、約3100年前以後約2600年前以前で、その平均的な活動間隔は、約4000~6000年であった可能性がある。本区間の最新活動の際に東側または西側の区間が同時に活動したかどうかは不明である。

 四国東端の鳴門市付近から愛媛県伊予市を経て伊予灘の佐田岬北西沖付近に至る範囲では、16世紀に最新活動があったと推定される。この時には、鳴門市付近から佐田岬北西沖付近まで同時に活動したと推定されるが、複数の区間に分かれて活動した可能性もある。
 また、1つ前の活動では、石鎚断層とこれより東側の区間(讃岐山脈南縁~石鎚山脈北縁東部)、石鎚山脈北縁の岡村断層からなる区間、川上断層とこれより西側の区間(石鎚山脈北縁西部~伊予灘)の3つに分かれて活動したと推定される。

 岡村断層は、その東半分が讃岐山脈南縁~石鎚山脈北縁東部の区間と並走し、また、西半分が石鎚山脈北縁西部~伊予灘の区間と並走する。各区間の1回の活動に伴う右横ずれ量は、讃岐山脈南縁~石鎚山脈北縁東部で6~7m程度、石鎚山脈北縁の岡村断層で6m程度、石鎚山脈北縁西部~伊予灘で2~3m程度であった可能性がある。それぞれの区間の平均的な活動間隔は、東側の讃岐山脈南縁~石鎚山脈北縁東部では、約1000~1600年、中央の岡村断層では、約1000~2500年、西側の石鎚山脈北縁西部~伊予灘では、約1000~2900年であった可能性がある。

3.断層帯の将来の活動

 中央構造線断層帯は連続的に分布しており、地表における断層の形状のみから将来同時に活動する区間を評価するのは困難である。ここでは主に過去の活動時期から全体を6つの区間に区分したが、これらの区間が個別に活動する可能性や、複数の区間が同時に活動する可能性、さらにはこれら6つの区間とは異なる範囲が活動する可能性も否定できない。

 6つの区間が個別に活動する場合には、以下のような地震の発生が想定される。

 金剛山地東縁の区間が活動すると、M6.9程度の地震が発生すると推定され、その際に金剛山地の東縁では断層の西側が東側に対して相対的に1m程度高まる段差や撓みが生じる可能性がある。

 和泉山脈南縁の区間が活動すると、M7.6~7.7程度の地震が発生すると推定され、その際に4m程度の右横ずれが生じる可能性がある。

 和歌山市付近もしくはその西側の紀淡海峡から鳴門海峡に至る区間が活動すると、M7.6~7.7程度の地震が発生すると推定される。

 讃岐山脈南縁から石鎚山脈北縁東部の石鎚断層に至る区間が活動すると、M8.0程度もしくはそれ以上の地震が発生すると推定され、その際に6~7m程度の右横ずれが生じる可能性がある。

 石鎚山脈北縁の岡村断層が活動すると、M7.3~8.0程度の地震が発生すると推定され、その際に6m程度の右横ずれが生じる可能性がある。

 石鎚山脈北縁西部の川上断層から伊予灘の佐田岬北西沖に至る区間が活動すると、M8.0程度もしくはそれ以上の地震が発生すると推定され、その際に2~3m程度の右横ずれが生じる可能性がある。

 これらの6つの区間がそれぞれ個別に活動する場合の長期確率は表2に示すとおりである。(表2は当て省略。原文を参照されたい。)

 また、上記6つの区間とは異なる範囲が活動する可能性や断層帯全体が同時に活動する可能性も否定できない。
 断層帯全体が同時に活動した場合は、M8.0程度もしくはそれ以上の地震が発生すると推定される。この場合の地震発生の長期確率は求めることはできないが、上で想定した6つの区間が個別に活動する長期確率を超えることはないと考えられる。

 本評価で得られた地震発生の長期確率にはいずれも幅があるが、その最大値をとると、金剛山地東縁と和泉山脈南縁の区間は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになる。また、紀淡海峡から鳴門海峡に至る区間、讃岐山脈南縁から石鎚山脈北縁東部の石鎚断層に至る区間、石鎚山脈北縁の岡村断層からなる区間、石鎚山脈北縁西部の川上断層から伊予灘の佐田岬北西沖に至る区間は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属することになる。

4.今後に向けて

 本断層帯ではこれまで数多くの調査研究が行われているが、本断層帯は長大であり、その活動様式は複雑であると考えられる。したがって、過去の活動履歴をより一層明らかにするとともに、その活動区間や活動様式の特性を明らかにする必要がある。

 また、ここでは佐田岬北西沖を本断層帯の西端として評価したが、活動度がやや低いと推定される区間を経て断層はさらに西に延びており、九州の別府~万年山断層帯へと続いている。したがって、ここで評価した断層帯の西端付近については、さらに西側の断層との関係を明らかにする必要がある。
PR
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
管理人のみ閲覧
<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- Sclaps KOBE --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]